血糖値に関係が深い基礎代謝
人間が生きていくために最低限必要なエネルギーを、基礎代謝といいます。
なんにもせず1日中静かに寝ていても脳は働いており、心臓は動き続け、血液は全身を巡っています。
そのときに使われるエネルギー量を、基礎代謝量といいます。
基礎代謝量は、季節によって差があり、冬の基礎代謝量は夏に比べると約1割多くなります。
冬になると外気が寒くなるので、冷える体を体温36・5度に保つには、外気温が高い夏場よりも多くのエネルギーを必要とするためです。
エネルギーの過剰摂取
高血糖による原因のひとつに、食べすぎによるエネルギーの過剰摂取があります。
基礎代謝量が少ない時期に、たくさん食べたり飲んだりすると、エネルギー過剰になって高血糖の原因になります。
基礎代謝量が少ないと、エネルギーをそれほど必要としないので、血液中にブドウ糖が余分に残るためです。
エアコンが普及していなかった頃の日本人は、夏場になると暑さのために夏ばてになって食欲が落ちるので、自然と糖質の摂取量が減って、基礎代謝量の低下に見合った食生活になりました。
しかし、エアコンが職場に行き渡った現在では、季節に関係なく室温がいつも快適なので、暑い日でも食欲がそれほど落ちず、夏バテ防止だ、と言いながらビールをガブガブ飲んで焼き肉などたくさん食べてしまいます。
また、外に出ると汗をかいても、家庭や職場が涼しいために水をたくさん飲まなくなりました。
暑いときは、発汗によって体温を調節するので、水分をたくさんとらないと血液中の水分が失われ血液の粘度が高くなって血糖値のコントロールが難しくなります。
夏を健康にすごすには、成人で約2.7リットルの水分を補給する必要があります。
このように夏に高血糖予備軍になる人が増えているのです。