糖尿病対策に 血糖値を下げるお茶「ヤーコン」の効能
ヤーコンは、南米アンデス原産のキク科の植物で、草丈が1.5~1.8メートルほどあり、土の中に塊根(イモ)を作ります。
日本に入ってきたのは1985年と最近ですが、新芽を天ぷらにして食べるとおいしく、またさまざまな健康効果もあることから注目されています。
ヤーコンの葉に薬効があることは、古くから知られ、南米では先住民のインディオたちが若葉を生で食べたり、乾燥させてお茶にして飲むなどしていました。
また他の薬草とブレンドして民間療法に使われることもあったようです。
現在でも、便秘の解消とダイエット効果のある健康食として、用いられています。
ヤーコンの根のイモの部分は、フラクトオリゴ糖や食物繊維を豊富に含んでいるため、整腸作用が高く、また腸内のビフィズス菌を増加させて、有害物質の生成を抑制し、外来細菌の感染を防いで、様々な病気を予防する効能があります。
ヤーコンの葉のエキスが血糖値の上昇を抑える
最近になって、ヤーコンの葉と茎に血糖値を下げる成分があることも明らかになりました。
研究グループが行ったラットを使った動物実験によって、ヤーコンのはのエキスには、特に食後の血糖値の急激な上昇を抑える作用があることが確認されています。
実験では、健康なラットにグルコースを飲ませるグループと、グルコースとヤーコンの葉のエキスの両方を飲ませるグループに分けました。
すると、ヤーコンの葉のエキスを飲ませたグループのラットでは、明らかに食後の血糖値の上昇が抑制されていることがわかりました。
同時に、ラットにブドウ糖とヤーコンの葉のエキスを飲ませ、胃や腸からのブドウ糖の吸収量を調査しました。
すると、ブドウ糖だけを飲ませたラットにくらべ、胃や小腸上部に残っているブドウ糖の量は多く、血糖値の上昇も抑えられていました。
これらのヤーコンの効果は、ブドウ糖をラットの皮下に注射した実験でも確認され、インスリンの分泌が減少していることも判明しています。
この実験から、ヤーコンには、ブドウ糖の吸収をゆるやかにして、食後の急激な血糖値の上昇を防ぎ、インスリンの分泌量を減らす作用があると考えられます。
なお、ヤーコンは家庭で育てることも可能ですが、健康食品店などでは葉を乾燥させたお茶なども販売されています。