糖尿病対策にコンニャクを
コンニャクの主成分は食物繊維コンニャクの原産地は東南アジアで、中国を経由して仏教とともに日本に伝わったといわれています。
鎌倉時代には僧侶の精進料理として現在のおでんのもとになる料理ができていたようです。
そして僧侶から公家、武家の順で広まり、江戸時代には庶民のおかずとして広まったと考えられます。
このように伝統食品として古い歴史を持つコンニャクですが、最近になって優れた健康食品として新たに脚光を浴びています。
科学技術庁資源調査会編の「日本食品標準成分表」によると、コンニャクは97%が水分、残りは食物繊維とわずかなミネラルでできています。
ほかにもカルシウムやたんぱく質などをわずかに含みますが、ほとんどノンカロリー食品といえます。
このノンカロリーという特徴が、高血糖や肥満などを予防する効果があるとして、注目されているのです。
コンニャクのグルコマンナンが血糖値の急上昇を抑える
コンニャクの食物繊維の主成分は、グルコマンナンという水溶性の食物繊維です。
グルコマンナンには、腸の中でドロドロにとけ、一緒に食べたものをからめとる性質があります。
それにより糖質の吸収が遅れ、食後の血糖値の急上昇が抑えられます。
グルコマンナンには、水分を含むと大きくふくらむ性質があるので、コンニャクを食べると胃の中で膨張して少ない食事量でも満腹感が得ることができます。
コンニャクの食物繊維は、血中コレステロール値の上昇を抑え、肝臓のコレステロールの合成を減します。
コレステロールは、肝臓で胆汁酸に変わり、十二指腸から小腸へ流れ込みますが、その90%以上は再吸収され、再びコレステロールになります。
グルコマンナンは、腸の中でこの胆汁酸をからめとり、小腸から再吸収されるのを防ぐ働きをします。
そのため、コレステロールの増加が抑えられ、動脈の血管壁が柔軟になるので糖尿病を悪化させる動脈硬化の予防ができます。
コンニャクは昔から「腸の砂おろし」といわれ、腸の中を綺麗にする食品として知られていました。
これを現代風に言い換えると、グルコマンナンが腸の働きを活性化させ、腸内の有害物質や老廃物を体外に排出させます。
その結果、便秘が解消され、糖尿病の悪化を防ぐことができるのです。