糖尿病対策に トウモロコシの成分が血糖値を下げる

トウモロコシ

市販のトウモロコシのお茶には、トウモロコシのデンプンを加熱処理して抽出した難消化性デキストリンという成分が含まれています。
これは、不溶性(水に溶けにくい)食物繊維の中で、小腸の中で糖質を吸着し、糖質が腸壁から吸収されるのを防ぐ働きがあります。
そのため、血糖値の上昇を抑える作用があるので、糖尿病予備軍の人が飲むと血糖値が改善される効果が期待できます。

実際、糖尿病予備軍の人を対象にした臨床試験で、血糖値を下げる効果や中性脂肪、コレステロール値を改善する効果が確認されています。
トウモロコシのお茶は、糖尿病のほか、高血圧症、高脂血症などの原因となる肥満を解消します。

トウモロコシ茶の実験

体脂肪が25%以上の閉経前の健康な女性(18~47歳)24人を対象にトウモロコシのお茶の臨床治験を行いました。
30歳未満の体脂肪率の適正範囲は、17~24%、30歳以上は20~27%ですから、体脂肪がやや高めの、ダイエット希望者を対象とした治験です。

まず、24人をトウモロコシのお茶試飲するAグループと、ウーロン茶のみを試飲するBグループに分け、1ヶ月間、1日に2~3回、毎食時に飲んでもらいました。同時に、各週ごとに体重、体脂肪、除脂肪体重、各パーツ別体脂肪、推定筋肉量などを測定しました。

その結果、Aグループの平均体脂肪率は2.8%減少したのに対し、Bグループは0.5%しか減りませんでした。脂肪重量は、平均でAグループが2.2%減、Bグループは0.7%減でトウモロコシのお茶を飲んだグループの方が脂肪が多く減りました。

体重の減り方もAグループが平均2.6キロ減、Bグループが1キロ減と、大きく差が出ました。
これらのデータから、トウモロコシのお茶には、体脂肪を減少させ、脂肪重量、体重を減らす効果があることがわかります。この実験では、体脂肪だけが減り、筋肉量はほとんど減少しませんでした。


食事量を制限するだけのダイエットは危険

ダイエットの時に、筋肉量の減少を抑えることは健康上、きわめて重要なことです。
いくら体重が減っても、筋肉も落ちてしまえばリバウンドを起こしやすくなるからです。

食事量を制限するだけのダイエットは、脂肪とともに筋肉や骨も痩せさせてしまします。
そうすると基礎代謝が低くなるので、食事の量をもとに戻してもやせた筋肉は脂肪を十分にエネルギーとして使うことが出来ずに脂肪をため込むので、リバウンドをまねきます。

この実験では、食事で糖質の摂取量が多いほど、体脂肪率の減少効果が高いこともわかりました。
ご飯や麺類、甘いものを多く取りがちの人ほど、トウモロコシのお茶は、毎日、食事のとき飲むと効果があがります。
ただし、糖尿病の治療中で、血糖値を下げる薬などを飲んでいる人は、低血糖が助長される危険があるため、主治医に相談してから飲んでください。

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