糖尿病の合併症予防に黒ゴマおから
黒ゴマおからも古くから日本に伝わる食品で、その栄養効果はよく知られています。
ゴマには、黒ゴマ、白ゴマ、黄(金)ゴマがありますが、栄養バランスが最もよいのが黒ゴマです。
ゴマの主成分は脂質とタンパク質です。
脂質は、その50%が良質なリノール酸で、コレステロールを減らし、高血圧や動脈硬化の予防と改善に効果があります。
また、ゴマのタンパク質には人間の成長に不可欠な必須のアミノ酸が豊富です。
必須アミノ酸は、体内ではつくることができないため、食品からとらなければなりません。
このほかにもゴマには、食物繊維やビタミンなどが豊富に含まれています。
おからには、ゴマと同様に良質のタンパク質と食物繊維が豊富です。
さらに、大豆特有のトリプシンインヒビターという、タンパク質を分解する酵素の働きを抑える物質も含まれています。
このように、単品でもそれぞれすぐれた健康食品である黒ゴマとおからを組み合わせたものが「黒ゴマおから」です。
黒ゴマおからは低カロリーで満腹感が高い
黒ゴマおからの健康効果が、最もよく発揮されるのが糖尿病などの生活習慣病です。
糖尿病の治療の基本は、食事療法による摂取カロリー制限です。
治療のためとはいえ、厳しいカロリー制限をしいられると、食べられるものが限られて食欲を満たすことができず、つらいものです。
その点、黒ゴマおからなら低カロリーでもありながら、高い満腹感を得ることができます。
黒ゴマおからに豊富な食物繊維は水分を吸収しやすく、水分を吸うと体積が6倍にもふくらみ、消化されにくいという性質があるからです。
そのため、わずかな量でも満腹感が得られます。
同時に、腸内の善玉菌を増やす効果もあるため、食事制限で食べる量が減ったために起こりやすい便秘を予防することができます。
さらに黒ゴマおからに含まれる食物繊維には、糖質などの栄養分の消化、吸収を遅らせる作用があるため、食後に血糖値が急激に上昇することを抑えてくれます。
血糖値の上昇がゆるやかになれば、インスリンが有効にはたらけば、高血糖が改善されます。そのほか、黒ゴマおからにはホルモンバランスをととのえる効果もあり、生理不順や更年期障害、また骨粗鬆症の予防と改善にに力を発揮します。