ゴボウは、糖尿病を予防し、免疫力を高める
ゴボウは根菜類の代表的な野菜で、食物繊維を豊富に含んでいます。
えぐみがあるため生食には向きませんが、煮込んでスープにすればおいしくなるうえ、薬効もグンとアップします。
植物の細胞は、細胞壁というかたい繊維でできているため、歯で噛んでも破れず、飲み込んでも胃腸に消化されませんが、
熱を加えると細胞壁がやわらかくなり、細胞の中にある栄養成分が外に出やすくなるためです。
また、食物繊維には水溶性と不溶性がありますが、ごぼうはこの2つを半々の割合で含んでいます。
不溶性食物繊維であるセルロースやリグニンなどは、100g中に8.5gもあります。不溶性食物繊維は、腸の中で水分を吸収して便通をよくしたり、腸内のビフィズス菌の生成を促進させたり、ビタミン合成を活性化させます。
特にリグニンは、米の約30倍の水分吸収率があります。糖尿病の大敵である便秘を解消するだけでなく、大腸ガンの予防にも大きな効果が期待できます。
不溶性食物繊維は、腸内で糖質の吸収を抑える
ゴボウの不溶性食物繊維には、糖尿病を予防する働きもあります。
不溶性食物繊維は、胃腸の中の水分を吸い取ってかさをふやすため、腸内をゆっくり進み、腸内に長くとどまります。
そして腸内のブドウ糖を吸収するので、血液中のブドウ糖は急激に上昇せず、ゆっくりゆるやかにあがっていきます。
ブドウ糖の急上昇は、膵臓の細胞を疲労させる原因となりますが、ゴボウの不溶性食物繊維はこれを防いでくれるのです。
さらに不溶性食物繊維のリグニンには、腸内のLDL コレステロール(悪玉コレステロール)を減らし、HDL コレステロール(善玉コレステロール)を増やす効果もあります。
腸内が綺麗に掃除されることによって、血中のコレステロール値は安定して、動脈も丈夫になり柔軟性のある状態が保たれます。
その結果、動脈硬化が原因で起こる高血圧、脳卒中、心筋梗塞などを予防することができます。
そのほか、ゴボウに含まれる栄養成分には糖質イヌリン、クロロゲン酸、アルクチン酸などがあります。
これらの成分は、免疫力を高めるので、ゴボウスープは別名「食べる抗生物質」と呼ばれるほどです。
糖尿病にかかった人が、風邪などひいて高熱を出すと、血糖値のコントロールが難しくなります。
風邪やインフルエンザが流行する季節には、ごぼうスープで免疫力アップにつとめましょう。