中河内家伝承品

小田家(中河内)に伝わる品々の中から、いま手元にあって、親からその由来を聞いたものを中心に、一部を紹介します。

ぬえ退治の図柄の透かし彫りのある鍔で、由来は不明である。左に弓を持った頼政、右下にぬえを取り押さえた猪早太が彫られている。

中河内家の仏像で、江戸時代に一度塗り直したと聞いている。堤に落住するとき仏像を背中に背負ってきたという伝承があるが、これがそれにあたるかは定かでない。

中身はないが、蓋の裏に五郎左衛門政知の署名がある。”重”、”重々”としていることから、大きさ・形状を考えると、小田氏大系図と元就感状を入れたと思われる。そのことをたえず聞かされていた孫の権右衛門政直が、長じて、三条中納言に確かめに行ったと考えると、すべてのつじつまが合う。

”寂如上人孝行絵像”という名称で中河内家に伝わる。外側はかなり煤けているので、長い間仏壇に掛けっぱなしになっていたものだろう。寂如とは浄土真宗本願寺派14代宗主のことだから、その時代のものであることは間違いない。

  

小田(松堂)義鏡晩年の作で、その頃悟った独特の宗教観を表している。

鎧の一部を切り取ったもの(2種類)。一見してかなり古い物だと分かるが、年代、由来など不明である。

赤間石の小さな硯で、代々使われ続けたため、大きな窪みができている。非常に良い墨がすれるので重宝してきた。

戦功により毛利元就から拝領した刀一腰のうち、小刀(脇差)のほうである。