天文15年毛利元就が出雲の尼子氏と戦っていたとき、安芸国佐西郡吉和の津田常陸介が兵の留守を狙って一揆を起こした。小田左衛門太夫政秋は坂新兵衛、桂兵部が率いる毛利の兵といっしょに常陸介の籠る城を攻め落城させた。この手柄により元就公より穴村一村75貫を拝領する。このとき感状一通と御刀一腰もいっしょにもらったが、そのときの小刀(脇差)が下掲のものである。鞘尻に雲龍の金具、鍔にも龍が彫られている。全体の印象としては素朴で力強い感じがする。