ノベライズなオルガさん

火の鳥2772 愛のコスモゾーン』はアニメ作品では珍しくノベライズが5種類でてます。ノベライズによって微妙に脚色されたりしてそれぞれ読んで面白いですが。ここではオルガさんをピックアップしてそれぞれの違いを書いてみました。

 集英社 コバルト文庫 全2巻 杉山卓:文
本作品の監督を務めてる杉山卓氏が書いてるだけにアニメと同じ展開。だたアニメでは分からない細かい設定やエピソードが書かれておりました。
オルガさんもアニメどおりの感じに書かれてますがノベライズだけにレナの出現によって自分から離れてくゴドーに悩み悲しむ描写が細かく書かれてました。

・ゴドーはあの女となにをしたんだろう。いったい何がおこったのだ。
・ゴドーは私から離れて行く。私がロボットだから…。
・オルガ、あはたはロボットなのよね…。
・わかったわゴドー、私を抱いてキツク、キツク。

 二見書房 笹村光史:文
このノベライズもアニメとほぼ同じ展開にストーリーが進んで行きますが1冊にまとめてるのでストーリー展開がすごくスピーディーで文体がやさしくなってます。オマケにすスペースシャークの設計図が付いてます。
このノベライズのオルガさんもアニメとほぼ同じ感じですがところどころ読んで「恥ずかしいセリフ禁止!。」「えええっ!」な感じの表現があるのが特徴かと思ってます。

・ジェット機に変身して、オルガは飛び上がった愛の飛翔を続けるオルガジェット機
・オルガ、人間の女の子と同じ。ロボットに見ないで お願い。
・感情を持つロボットは愛に殉じた

 朝日ソノラマ 全2巻 石津嵐:文
ストーリー展開はアニメと同じだけど話がボルカンの強行にオルガさんがボルカンを車ごと持ち上げるエピソードのところから始まったり、大破したオルガを前に自殺しょうとしたり細かいところが脚色されてる
このノベライズでのオルガさんは上記のノベライズよりセリフがカタコトっぽく書かれ前半では読んでいて幼いイメージが湧きました。あとこのノベライズでのオルガさんは他の育児ロボットと比べ変なロボットと認識されているのが特徴で、それから結婚と言う言葉に恥ずかしそうに背をむけたり、公園でゴドーとレナがキスするシーンを見てオルガさんがスパークを起しそうになるのを必死に堪えるシーンや労働キャンプへ送られたゴドーの居場所を知るまでのオルガさんとピンチョの行動。そしてゴドーが幼少の頃オルガのおっぱいを欲しがって泣いたとき自分の胸を切り裂いて中のメカをゴドーに見せると言う回想シーンがあったりしましたがオルガさんの嫉妬、苦悩についてはあまり書かれてなかったです。

・さあ、オルガ 解りません。きっと ゴドーの成績、優秀なので、教官が、ご褒美 くれるかも知れない。
ピンチョ:「あんた、よっぽどゴドーに会いたいんだな。」
オルガは恥ずかしそうに俯いた
ピンチョ:「へっ、ロボットのくせに赤くなってら。」
・小走りに駆け寄ったオルガは、まるで愛する人に出会った恋人のように、その胸に飛び込んだ

 少年画報社 全2巻 辻真先:文
このノベライズはストーリーこそアニメに順じてますが『楽章』と言う感じに章が分かれてて各冒頭に詞が書かれてるのが特徴だと思います。
このノベライズのでオルガさんは他のノベライズと比べ1番可憐にそしてかけがえの無いパートナーとして書かれてて、あとオルガさんのレナへの嫉妬、ゴドーへの愛の苦悩をメカ的表現で書かれてるとこがよりオルガさんのロボットとしての苦悩を強調されていてオルガさん好きにはこの本が1番オススメな感じです。それからゴドーの夢の中で狂ってしまったオルガが出てきます。

・きょとんとしてるオルガにかまわず、爪先立ちしたゴドーは彼女の頬に触れた。それも指先ではなく唇で
・このときの彼女の電子頭脳にディスプレイ装置が繋がれてたら、それは凄まじい光量と激烈な角度で乱れるカーブを描いたろう
・2772から見ればオルガごとき とるにたらないカラクリ人形でしかないのだろう
・わたしはゴドーが好き。でもゴドーは人間。わたしはロボット。結婚することができるだろうか。
・どこか回路がトラブルを起したのか、彼女の動作はひどく緩慢に見えた。声も不安定で、ともすると音階を踏み外しそうだ

 講談社 並木敏:文
このノベライズが1番最近に出た物で、ファンとしてもうれしい反面「なして今?。」と困惑してしまいました。内容はこのノベライズが脚色が強く各キャラのカラーも元のアニメと比べ変わってます。ストーリーも温泉星あたりからの話でそれまでの話は回想的な扱いで書かれてます。
オルガさんもこのノベライズではレナへの嫉妬、ゴドーへの愛の苦悩と言う部分はオミットされてて、料理を失敗したりとおちゃめなことをしたり、ビームガンを撃ったり、今のアニメヒロイン的な書かれていて、あとオルガさんの特徴の1つ変形機能もそんなに活かされてなかったのが残念ですが、火の鳥によって復活したオルガさんとゴドーの愛のシーンはとてもリアルな描写でありました。あとこのノベライズでは人間になったオルガさんはゴドーを身ごもる設定になってました。

・ゴドーは両腕でオルガを抱き寄せ、オルガも体を起しながら柔らかな腕をゴドーの首筋に絡ませた。2人はお互いの温もりを感じながらしっかりと抱き合い、抱き合ったまま立ち上がった。4本の手が、相手を確かめるように、忙しく動き回っていた。
・ゴドーは笑いながらオルガの頭をコツンとやるまねをし、オルガも舌を出しながら首をすくめた。

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