第21話〜 iTunesで大物をゲット
(2008/01/26)

 

 ネットで音楽関連の情報を眺めていたら、耳よりの情報が書き込まれていた。iTunes MusicStoreで、主にドイツグラモフォンの大物全集が格安で販売されているとのこと。早速行ってみるとカラヤンのブルックナー交響曲全集、アバドのマーラー交響曲全集、ベームのモーツァルト交響曲全集、ケンプやバレンボイムのベートーヴェン・ピアノソナタ全集、プラハ四重奏団のドヴォルザーク弦楽四重奏曲全集など。

 iTunes Storeの場合、AAC128kbpsの圧縮音源での配信だから音質はほぼFM放送レベル。CDを直接鳴らす場合と比べると音質的には明らかに不利。それでもCDなら輸入盤でも一万円程度するものが、なんと一組1500円だ。だまされたと思ってとりあえずカラヤンのブルックナー交響曲全集を買ってみた。CDなら9枚組。カラヤンのブルックナーは若い頃から大好きで、ジャケットの秀逸さもあって、4、7、8、9番はLPで揃えている。残りも聴いてみたいと思っていたところだから「渡りに舟」というところか。

 ダウンロードしてみたところ、音質はまずまず。BGMやポータブル・オーディオで聴くのなら何の問題もない。手持ちのLPをデジタル化する手間を考えれば、1500円という価格は十分に見合うと言える。
 調子に乗って次にアバドのマーラー交響曲全集も買ってみた。アバドのマーラーはシカゴ響との1、2番、ウィーンフィルとの3、4番をLPで持っているのだが、今回の全集で重複するのは3、4番のみ。アバドってマーラーは何度も録音しているのだ。CDなら12枚分をダウンロードし、バックアップを取ってみるとちょうどCD1枚に収まる。1/10程度の圧縮率になっているようだ。

 期待の大きかったアバドのマーラー全集だが一つ問題発生。マーラーの交響曲の場合、楽章間にも細かくトラック分けがされている。これがコンピュータのデータとしてはそれぞれ独立したファイルとなる。それらを連続して再生した場合、そのつなぎ目で妙にフェード・イン、フェード・アウトしているような不自然な聞こえ方がする。たぶんファイルの作成時に問題が生じたと考えられる。それでも演奏そのものは聴き応えがあり、ウィーンフィルとの2番などは、ライヴの熱気もあって、圧縮音源という音質のハンディを感じさせない素晴らしいものだった。

 味をしめて、次はプラハ四重奏団のドヴォルザークでもと行ってみたところ、なんと発売停止になっている。値段を付け間違えたのか、始めから期間限定で反応を見るつもりだったのか。結構売れたはずだから、眠っている音源をこういう形で再発してくれると嬉しいのだが。

 ウォークマンで聴くつもりで買ったのだが、著作権処理されているAACファイルの再生はウォークマンでは聴くことが出来ない。従って一枚ずつCD-RWに焼いて移し替えるのだが、そのCDを直接メイン・オーディオで鳴らしてみると結構いい音で鳴る。パソコンでもいい音で聴きたいと、外付けのオーディオインターフェイスを使っているのだが、安物だけ有って、CDプレーヤーのD/Aコンバータの性能には及ばないようだ。


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