ブレイズ
夕方
ブレイズは
渡そうと決めていた人のほとんどに
チョコレートを配り終えていた。
けれど
探しても探しても見つからない誰かさんが
一体どこにいるのか見当も付かなくて
ただただ
困り果てていた
ただでさえ
家にいることの少ない彼らを見つけることで疲れているのに
最後の一人が見つからないなんて・・・
「とんでもない文化だな。」
誰に言うとでもなくつぶやいた。
別に好きな奴に渡すと言うのでもない。
トモダチに渡すと言う文化だといったから
みんなもするといったから
まずいと思ってしたけれど
私がチョコレートをあげるとみんな笑い出すし・・・
ぶつぶつ文句を言っていると
前方にはあの特徴的な頭の誰かさんが
一日中見つからなかったくせに
今更・・・
私に気付いて手を振るあいつは
明らかに私が探していることを知っていた。
知っていてわざと隠れたとしか思えない。
ちょっとむっとしながら近づいて
つんとしながら
薄っぺらい安物のチョコレートの箱を突き出した。
「・・・・・なにこれ・・・・・?」
「バレンタインデーという日らしい。・・・詳しくは知らない。」
ふんっと向こうを向いていると
包みを破る音がいやでも聞こえた。
・・・また笑われるか・・・?
「・・・・・・・・・・・・・・・・・」
「ああこれ美味しい」
「ああ・・・・・・そう。」
「何がそんなにおかしいんだ?」
シルバーは楽しげに笑っていた。
「俺これ知ってる。いつかクリームがくれたよ。
アポロチョコってやつ?」
3/8/2007
バレンタインデー
ブレイズ
ブレイズはエミーにバレンタインデーを
教えてもらったという設定。
ブレイズは何をあげていいのか分からなくて、
とりあえず多く買うために安いものを買いました。
が、ちょっと選択を間違えちゃったらしいです(笑)。
アポロチョコじゃ、ちょっとねえ。
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