ルージュ
夜
ルージュは
今日一日尋ねてきた人にはチョコレートを渡していた
けれどやはり
待ち人は来たらず
照れているのか何なのかは知らないが
毎年どれだけ待っていても結局は来ないのだ
持って行ったとしても追い返そうとするのも
ある意味ではアイツらしいってもんかしら
・・・追い返されないほうが怖いし。
そう思うようにすらなっていた。
頭が冷えてからは。
冷えるまではそうはいかないという事だが
もう日が暮れている
全くもう、どれだけ待たせるのよと
とうとう真っ暗になった夜空へと飛び立った
早春とはいえまだ冷たい風を切って
雲ひとつない空を抜けていく
見る見るうちに地上の街の灯りから離れて
空の明かりへと近づいていった
空にはもう星が輝いていた
一息ついて島へ入ると
そこには誰もいなくて
いつもと同じなのはあの巨大な
緑色の宝石が輝いていることだけ
いつもなら即座に持って帰っただろうが
さすがに今日はそういう訳にはいかない
どこに行ったのよ・・・?
ふざけているのではないかと思ってそこら中探してみたけれど
本当にどこにもいなくて不安になっただけ
「あ・・・!」
まさかと思って下へ降りると
ナックルズはルージュがさっきまでいたところに
不機嫌そうに座っていた。
「何なんだよ、
毎年怒るからせっかく降りてきてやったって言うのに・・・」
さっきまでしぼんでいた気持ちが一気にまた戻ってきて
思いっきり文句を言う。
「あんたが遅すぎるのよ!もっと早く来れない訳?
私は一日中待ってたんだからね!」
「あんだとぉ!?せっかく降りてきてやったってのに!
このこうもり女!!」
「何よこのくそハリモグラ!!」
とりあえず大きな箱を
チョコレートを
押し付けて
思いっきり言うだけいって
お互いに少し落ち着いてきた時
月はもう落ちかけていた
二人で何を言うでもなく月を見つめた
「ねえあんた」
「・・・なんだよ」
心配したんだから・・・
「・・・来年はもっと早く来なさいよね・・・」
3/9/2007
バレンタインデー
ルージュ
渡しに行くのが面倒で、
訪ねてきてくれるならあげてもいいかな、みたいな。
エミーちゃんもきっと行くよ。皆行くと思う。
ルージュの高級思考はここにも出てると思うから。
もちろんナックルズは別格で
チョコレートも大きいの買ってるのでした。
待ち合わせ場所に来た事ないみたいだけれども。
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