ティカル
昼
ティカルは
どうしたらカオスが驚くだろうと
朝に目が覚めてからずっと考えていた
そろそろ渡さなくちゃ
特に良い考えも思いつかなかったけれど、仕方ないかな
そう思いながらでまかせでこっそりカオスの後ろに近づいて
ぜんぜん気付かないカオスの目をパッとおおった
『わぁっ!な、何ですか、ティカルさん!
どうしたんですか!?』
ティカルは笑いながら
そっとカオスから片手を離して
カオスの手にひとつ箱をのせた
「これ、何でしょう?」
カオスの目をもう一度おおいながら言う
なんだかよく分からない表情でそれをずっと触っていたカオスは
うーん、何でしょう・・・箱じゃないんですか?
とだけ言って困惑していた
ティカルはもう一度楽しげに笑って両手を離した
確かに箱。
綺麗な箱。
小さくて綺麗な箱。
でもそういえば何か甘い香りもするような・・・
箱を開けるとその中にも
もっと綺麗でもっと小さな四角いものが
でも、箱じゃない
もっとずっといい物
チョコレート
カオスは驚いて顔を上げた
ティカルはうふふと笑っていった
「カオス、今日はバレンタインデーよ!」
カオスは嬉しそうに
本当に嬉しそうに目を細めて笑った
2/16/2007
バレンタインデー
ティカル
ティカルはカオスを驚かそうとがんばってるんだけど
結局カオスはチョコレートってことだけで驚いちゃってます
このあとカオスはティカルと
チョコを仲良く分けちゃったんだって
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