海底電力ケーブル探査システム SEADOGV

    
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 製品のプロフィール

・3年ほど前今年退職をした会社でSEをしていた頃広島の海洋建設関連の会社から18年ほど前に購入した海底電力ケーブルの探査装置の感度が悪く使いづらいので同じ機能で再設計してもらえないかという依頼があり先方の倉庫にあったものがこの写真のものでした。

写真にあるハンゴウのような形をしたセンサがそれでこのセンサをロープで海底を曳航してレベルメーターの指示とヘッドホンでモニターしながら海底電力ケーブルを探査する構成すが、このセンサは海底で姿勢が変わるたびに海底電力ケーブルとの結合度が変わるため受信感度がころころ変動するためケーブル位置が特定づらい事とずっとレベルメーターを見ているので船酔いしやすい事が問題でした。 また、それ以前に検出回路の感度とSNが低く実用的には波や海流の少ない浅いところといったよほど条件の良い場所でしか使用できないものでした

基本的な設計をやり直したのが1号機で写真のようにセンサの形状を扁平にしてさらに重量も増やして水中での姿勢を常時水平にすることによって姿勢に起因する感度の変動を抑えることにしました。 言ってみればヒラメが海底を泳いでいるようなイメージにしました。

検出回路も新規設計したのですがなにしろケーブルからセンサが受ける電磁波の検出電圧が数mVくらいで100mものケーブルを通してくるためSNが悪くその信号の分離とノイズ対策にはかなり苦労しました。 また、新しく受信信号のレベルに応じて音の間隔が変わるノッカー出力を追加して常時レベルメーター監視しなくても感覚的に受信レベルが捕捉できるようにしました。 これは受信信号レベルが作業者全体で共有できるため個々の作業者が「もうじきケーブルの上に来るぞ」といった状況の把握ができ受信情報がメーターに頼らず共有できるという大きなメリットがありました。

この形式のものは電力系、マリンサービス(ダイビング)系や海洋建設系の数社で現在も稼働中ですが瀬戸内や山陰、九州の島しょ部などのかなり多数の現場海底電力ケーブルの探査に活用いただいています。

特に隠岐の島の現場は水深が100m以上と深くダイバーによる調査が困難であるため特に防水性能を上げ、さらにセンサケーブルも200mという特別仕様のものを急遽製作してほしいとの依頼があり約一か月で納入、この装置によって困難な調査がスケジュールどおりに終了したと喜んでいただきました。

この扁平なタイプのセンサコイルは使用状態で水中ビデオ観察したところ当初想像していた海底を這うようにしているのではなくほとんどの時間はエイが泳いでいるように海底から数十センチ浮き上がって浮遊していることが分かりました。 ただ、このタイプでもまれにセンサが垂直に立ってしまう場合がありこのときに受信感度が変動することが若干の問題として残っていました。

それで再度形状を検討して製作したのがU型で三角形の安定板を追加し全体の幅方向の寸法を大きくして少しでも水中で立ってしまう事を抑える効果を狙いました。安定板には浮力防止のためにたくさんの穴があいています。

今年(2008年)になって会社を退職し当分遊ぶつもりで家にいたところあるユーザ様から電話で「岡山県の牛窓の近くの犬島という現場で探査中だが調子が悪いので見てほしい」との依頼があり家からも近いので原因調査して修理して使用可能にしました。 そのユーザ様からいろいろな改善の依頼があってもう一度このシステムをリファインしてみようと思い立ち退職した会社と調整をして、この物件に関するすべての資産を引き継ぐという条件で再開発に取りかかりました。

会社にいるときは計測器でも部品でも好き勝手に使えましたがいざ会社を離れると計測器や部品から調達せねばならず投資が必要でしたがいろいろと調達して再開発を開始し、この姿勢による感度の変動をなくすことを検討して新しくできあがったのがこのSEADOGVというセンサです。

このセンサは従来の平型ものと違って円筒状で姿勢による感度変化がまったくないものです。ちなみにSEADOGというのはあざらしですが形的に似ているのと海の中で犬のようにケーブルを探すといったイメージで名前はすごく気に入っています。 感度的には平型の1号機より少し良く形状的にも前部投影断面積が小さいため水の抵抗が小さいので水流で浮き上がることも少なく重量も比較的軽いため扱いやすいものになっています。

検出回路は1号機の回路から見直しをして若干問題のあった回路の安定性を向上させさらに電池が24本も必要であった電源回路をUM1電池8本で済むようにしました。 ケースも従来の非防水のものから蓋が閉まった状態であれば水面に落下しても問題のない完全防水性のケースに変更し、防水コネクタによる接続によって蓋を閉めたままの探査計測が可能になり波の飛沫や雨などに対してに格段の耐性を持たせました。

このシステムの開発にあたっては電力系コンサルタント会社のスタッフの方にいろいろ教えていただき助かりました。 芸は身を助けるといいますが私の場合は学生時代からオーディオにハマっていてローレベルな信号をローノイズ増幅するためにはどうすればいいかといったようなことを長年趣味でやってきたのがかなり役に立ったように思います。

会社は個人企業で小さいですが一連の開発に関しての製品は電力会社の調査部門や海洋関連の建設会社や調査会社などで高い評価を頂いています。
ユーザ様ご使用例



海底ケーブル探査システム SEADOGV

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