おもろいアニメだ!2772!
賛否の評価のある『火の鳥2772 愛のコスモゾーン』ですが、ここでは自分がこのアニメでおもしろいと感じたシーンをあげてみました。
まずは『2772』のプロローグ、火の鳥の飛翔シーンです。
『火の鳥』はアニメ映画、テレビアニメと何作かありますが、『2772』のこのシーンの火の鳥が1番優雅で綺麗な飛翔だと思います。テレビで手塚先生の特集があり、火の鳥が出た時、このシーンが出る確率はけっこう高いです。
★火の鳥 飛翔
☆ぷるぷるオルガさん
『2772』の批評でよく言われる オルガさんの輪郭がぶれてプルプルと震えている感じになってるシーン。手塚先生いはく「フルが逆効果なところがある。」(『SFアニメ大全集』より)自分はそんなに気にならず、どちらかというとこう言うフルアニメにしなくともよいような止めシーンまでフルアニメにしてしまう手塚先生のアニメならではだと感じました。他の作家のアニメでは絶対見られない表現だと思います。
個人的にはこのクオリティで最後までいって欲しかったです。
★疾走!ハイウェイ!
これも『2772』では有名なシーンの1つ。ゴドーの乗ったエアカーをカメラが後からとらえ、そのまま上空高く昇り、前に回り込んで車内に入る背景動画。とても迫力あるシーンで、後に短編アニメ『ジャンピング』に繋がる名シーンです。
☆対等ではない世界
『鉄腕アトム』同様 『2772』の世界ではロボットは人の随伴物扱い。手塚作品以外のアンドロイドが登場する作品はほとんど人とロボットが対等or友達って感じなので こう言う世界感は手塚作品らしい世界感だと思いました。
★シリアスな中にも・・・
ボルカンがゴドーをあざ笑うシーンで目が出たり、サルタ博士が扉を足で叩くときに靴がボクシングのグラブに変わってボカボカ叩いたりと手塚先生のアニメならではの表現で、シリアスな中にも「ふふっ。」っときてしまいます。こう言う表現は他のSFアニメではなかなかお目にかかれないと思います。
☆働け働け!
労働キャンプの過酷さを表現したシーン、BGMに合わせ機械が生き物のように動き、労働者のモブシーンと『2772』の名シーンの1つと言っても良いでしょう。
★白雪姫のパロディ
悲しみにくれるオルガさんを宇宙人トリオが音楽で励ますシーン。7人の小人が白雪姫を励ますシーンのパロディとされてます。ピンチョがホウキを女性に見立てて踊るシーンは手塚先生らしい表現だと思いました。あとこのときのオルガさんの表情はとても好きです。
☆火の鳥に貰った星で・・・
火の鳥に貰った星で愛の日々を送るゴドーとオルガさん、DVDではカットされてますがゴドーとオルガさんのキスシーンもありました。人とロボッ娘のラヴシーンは18禁以外では唯一ではないかと思います。
自分だったら地球に帰らずいつまでもオルガさんと一緒に過ごしただろうに・・・もったいない!(爆)。
★愛してると言ったのに・・・
ラスト、ゴドーが滅び行く地球の代わりに死を選び、オルガさんに別れの言葉をかける時のセリフ「きみは世界1の友達だった。」と言ってます。オルガさんが蘇ったとき「きみを愛してる。」と言ったのに・・・。結局 ゴドーにとってオルガさんは恋人ではなく友達だったんでしょうかね???。と疑問に思いました。
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☆救世主誕生?
ラスト、火の鳥によってゴドーは赤ちゃんに、オルガさんは人間のお母さんとして復活したシーンですが、『手塚治虫の旧約聖書』の『イエス誕生』の話を見てゴドー復活はイエス誕生のシーンになんか似てると思いました。最後に輝く星も手塚先生は『ピノキオ』の願い星と言ってますが、旧約聖書の東方三博士を導いた星に似てますし・・・。
そういう感じに連想させるところが国内より海外でうけた1つかなぁと思いました。
あとオルガさんが赤ちゃんゴドーを抱いてどこかへ去るシーンは手塚先生の『ある街角の物語』のラスト、女の子が熊のヌイグルミを抱いて去って行くシーンに似てるなぁと思いました。
★手塚先生が描いた?
『キネマ旬報1980年4月上旬号』に掲載さえれていた対談で手塚先生が描いたとされるオルガさんがロケットから人間に戻る変形シーンはここではないかと推察するのですがいかがでしょうか?。
★特撮もありますえ!
『火の鳥2772』では冒頭での胎児のシーンなど実写フィルムを使い手書きのアニメでは出来ない効果が出ていて手塚先生のアニメらしいおもしろさが出ていると思います。