「いまさらCS(顧客満足)」(2)
CS(顧客満足)とは?@
満足=お客様の期待以上の品質・サービスを提供する事。
コラム「中国を観る」(3)を見ていただいた方には重なりますが、中国大連で中古車(二手車)市場を見学したときの事です。塀に囲まれた公安(警察)が管理する中古車市場に十数軒の中古車業者が軒を連ねています。事務所の前に数台…多くて14〜5台の中古車を並べています。日本ではお馴染みの「プライスボード」「年式表示」等は一切ありません。
事務所の中は?と見ても商談用の応接セット等はありません。事務机が2〜3置かれ、壁際にパイプ椅子が2脚ほど置かれています。これが商談コーナーです。
たまにお客様が熱心にクルマを見ていても、声も掛けようとしません。自前の整備工場も持っていません。「後は知らない」と言うスタイルです。
不思議に思いオーナーに聞くと、「うちはこの市場でも一番よいクルマを展示している。欲しい客が買いに来れば売ってあげているのだ。」と…。「数年先にはお客様が強くなる時期が必ず来る。今からよそに無い接客と良いサービスを提供すれば、すぐ倍の売上になる。将来絶対の地位を得られる。」と説得するが、「今のやり方で十分儲かっている。今は売るほうが強いのだ。」と言う言葉。
そうなのかも知れません。日本もいつか通った道です。
「CS(顧客満足)」とは、お客さまの期待以上の「サービス・品質」を提供したとき「満足」が実現し、期待以下の時「不満」となるのです。
満足=提供するサービス>お客様の期待>提供するサービス=不満
つまり、中国の中古車を求めるお客様は今の時点「良い中古車」を確保する事だけを期待し、よいサービスや心地よい接客など期待していないのです。中古車輸入を国策で制限しているのでそれだけよい品質の中古車は品薄なのです。「中古車を売ってやっている。」と言う商売なのです。
反面、新車は内外自動車生産工場の乱立で供給過剰になりつつあり、競争の激しい新車ディーラーの接客は大変丁寧だそうである。
新車が普及してくると、代替時の下取車が大量に発生し数年後には中古車在庫も豊富になるので、新たな大衆層の需要も生まれ中古車販売競争の時代が来ることは間違いありません。(現に新車の過剰競争で、短期間に代替し準新車と呼ばれるま新しい下取り車が流入するなど中古車市場に異変が起きているそうです。)
中古車業界に限らず、中国のサービス業は総じて「笑顔」がありません。ホテルのフロント、レストランのウエイトレス、商店…。何故かサービス精神が見えません。「共産主義」「国営経済」の名残なのでしょう。(決して「笑顔=CS」ではありませんが、CSの1要素ではあります。)
※「CS」は「スマイル」でなく「システム」だ。(スウェルモータース社長カール・スウェルの言葉)
急成長で生産性が上がり、モノが豊富に出回り、買う側が豊かになると顧客の「期待値」はドンドン高まります。そこに「顧客の期待値以上のサービスを提供するシステム」=「顧客満足(CS)」が必要になります。
今の中国を観ていると「CS(顧客満足)」の原点、セオリーが逆に良く見えてきます。
つづく