石鎚山は、万葉の歌人山部赤人が「伊予の高峰」と詠んだ。
石鎚山は古代より霊山として崇められ、役小角が開山したといわれている。
近年まで修験者の山として女人禁制の山とされてきた。
今現在でも、7月1日は山開きで、その日だけは女人禁制で女性は入山できないが、2日以降は入山できる。
日本各地の、お山開きが一般的になったのは江戸中期で、お祭り期間は、江戸初期は旧6月1日から3日間、江戸末期は5月25日〜6月3日、明治以降7月1日〜10日まで位だそうだ。石鎚山では、八丁坂の先の禅定ヶ森は「無言の禅定」呼ばれ、無言で通過しなければならなかった。
往時の女性登拝は、黒川道は「女人還の行者堂」まで、今宮道は「矢倉の女人返し」まで。女人禁制は、昭和22年から解禁され、当初は山開き中の6日目からOKで、後に3日になり、昭和57年から1日のみに短縮された。
5月13日(水)
夜勤明けで帰宅すると、愚妻と9:25に自宅を出て、石鎚山の登山に向かう。
山陽道からしまなみ海道と走る。松山道いよ西条ICを出ると、国道11号線を西に走り加茂川沿いに国道194号線を谷川沿いに南に向かい走る。川来須の先にある旧国道を左に見送ると。寒風山トンネルに入る約5k少しある長いトンネルを抜けると一の谷で、国道から左の谷に入る。蛇行しながら旧国道の狭い道を登って行った。旧国道の隋道を通過したほうがよいかわからない。
町道瓶ヶ森線の東西山岳道路の東の拠点たる寒風山隧道トンネルの東の出口にある広場で地図を確認する。建屋の隣から寒風山(1763)に登る登山道がある。広場から土小屋まで総延長26Km余りの山岳道路を走る。
山岳道路は四国の屋根と呼ばれる稜線を走るため、山岳風景には定評がある。冬季は通行止めとなる。1596.2の西側にあるトンネルは、素掘りのような岩肌が現れた。伊予富士(1756)の雄大な斜面を眺めると、東黒森のトンネル出口の、路肩に数台の車が止まり、道路上に人が出て見上げている。
俺は「邪魔をするんじゃねー」と、聞こえないようにつぶやく。愚妻が、「止まりなさい。停まれー。何かあるんじゃー」
東黒森(1861)の岩場の斜面に、ピンクの花が咲いている。急斜面の常緑樹の緑、岩肌、ピンクと素晴らしい景観に満足して車に乗り込む。
東黒森(1735)と自念子ノ頭(1701.5)との鞍部、神鳴池、西黒森と瓶ヶ森(1896.2)の鞍部が車道と同じ高さだ。各頂まで100m位の稜線上を車は走る。
男山登山口の駐車場に車を入れて、氷見二千石原を散策する。雄大なササ原の向こうに長大な山稜を持つ石鎚山が聳え立つ。瓶ヶ森の男山(1855?)は蔵王権現を祀り、三角点の女山(1896.2)の両山は絶景を誇る。
再び車に乗り込むと岩峰の子持権現山の東側の基部を回りこみながら進んでいく。子持権現山は瓶ヶ森関連の行場の一つで、山頂直下の岩窟に子持権現が祀ってあるそうだ。
登山道は無いが、80mの鎖を頼りに登ると山頂にはアケボノツツジが咲き乱れるという。帰宅して写真を拡大して確認した。
しらさ峠に建つ「山荘しらさ」の玄関先を通過する。伊吹山(1502.8)の北側を巻きながら進むと、よさこい峠を通過し名野川越と走ると、土小屋に着いた。
土小屋は石鎚山登山の東の拠点である。東西山岳道路の結節点で、白石ロッジ、岩黒レストハウスや岩黒山・筒上山等の登山拠点である。駐車場に車を停めると、石鎚山神社遥拝所にお参り(16:20)する。
土小屋の標高は1492(いよのくに)m。遥拝所の横を500m程走ると、今日の宿泊所「国民宿舎石鎚」である。
入浴を済ませ、食堂で美味しい料理を頂戴する。食堂には沢山の高山植物の写真が貼ってある。
5月14日(木)
4:40起床して、窓を開けると素晴らしい朝焼けに瓶ヶ森のシルエット。
国民宿舎の玄関前(7:40)を左に進むと登山道になる。歩き始めの苦しさを一頑張りすると土小屋からの登山道と合流する。鶴ノ子ノ頭を北側を巻きながら緩やかに登って行くと、団体さんに追いついた。昨日相前後して行動していた、中高年の元気な若者達である。
巻道終点の休憩ポイントで追い越し、南側の斜面の道となる。ゴヨウマツの休憩所近くの登山道でショウジョバカマを発見する。登山道にはアケボノツツジの鮮やかな紅色が、青空に映え、石鎚山との険しさと、写真になる。
稜線上の整備された登山道を北に南に巻きながらゆっくり登って行く。このゆったりが非常によろしい。五つ星ダー。
東稜基部の広場に8:45到着する。ここから稜線伝いに南尖峰に登り、天狗岳を越えて弥山に登ることが出来る。ここから石鎚山の北壁下のトラバース道を進む。大小4本のルンゼを進んでいく。北壁を紹介する看板を読み、北壁を眺め、落石に注意しながら二ノ鎖小屋まで進んでいく。
表参道から登ってきた人と出会う。鳥居を潜ると二ノ鎖小屋である。鎖小屋の直ぐ上、二ノ鎖がある。ここで小休止して、鎖を登らず迂回路を登って行く。迂回路は断崖の下を階段と桟道が交互に現れる。階段等が非常に昇りやすい。
左側に面河道が昇ってきている。三ノ鎖小屋がありトイレを借りる。鎖を昇ると弥山の頂上に出るが、9:50三ノ鎖小屋から迂回路を登ると北側の斜面から南側に回りこみ、弥山の頂上に10:00達した。頂上にある頂上山荘と石鎚神社鳥居と奥社(と授札所があり、奥社にお参りする。
ここで注意。奥社のご神体(石鎚蔵王大権現)の撮影は禁止され。神主様が24時間監視していて、犯す者は一生−−−である。
奥社の裏が三ノ鎖の終点である。
石鎚の最高所は、弥山のすぐ先の天狗岳にある。鎖を3m程下り、踏み跡を辿ると 天狗岳の絶頂に10:30達する。頂には天狗嶽王子社の祠が祀ってあり、ここが西日本最高所ある。
社の主もこんな不安定な場所に安置されるより、もっと安全な場所がいいのだろうに。馬鹿の高登りでもあるまいに。
祠にお参りすると、弥山に帰るため岩稜を引き返す。アケボノツツジが、「私って綺麗」と咲き誇っている。道中で追い越した中高年の若者達が、弥山から鎖を伝って降りてきた。
弥山の頂に帰ると直ぐに下山となるが、その前に頂上小屋のトイレを借用し、来た道を引き返す。
面河への道を過ぎ二ノ鎖の小屋に11:35に帰ると、北壁下のトラバース道を土小屋に向かう。
13:00国民宿舎の分岐に帰り、国民宿舎の駐車場にて登山靴を脱ぐと、直ぐに土小屋に移動する。
愚妻がアイスを食べたいと愚図るので、宥めるためにお店に連れて行く。
店内では、国民宿舎の女性従業員が、新聞を見ながら「昨日のアケボノツツジの記事が載っている」と騒いでいるので、綺麗なツツジが「アケボノツツジ」と判った。
土小屋の駐車場から石鎚スカイラインを面河渓に向かう。少し広い広場がありここから眺める石鎚山は、素晴らしい岩峰で、北アルプスの槍ヶ岳より数倍も素晴らしい岩峰だ。
双眼鏡の設備がある広場を右手に見る。ここから御来光ノ滝が見れる。
面河渓谷は石槌山の南麓、石鎚スカイラインの入口にあり、渓谷として自然の素晴らしさを見せ、面河渓の入口・関門から遊歩道は、上流へとつづく道に沿って高さ100m、幅200mの亀腹岩、相思渓、五色河原、蓬莱峡、紅葉河原、御来光の滝等がある。
石鎚山から面河渓に下るルートがあるが、家族登山では使用しにくい。
近年バス、タクシーなどの交通機関が山間部から無くなり、登山活動は乗用車に変更されているため、個人・家族山行等が制約を受けている。下山口に乗用車を回して置くことが出来ない。
県道12号線から国道494と走り久万高原町美川の道の駅に立ち寄る。国道33号線を松山市に向かう。落合集落を過ぎ、緩やかなカーブを過ぎた地点で、ねずみ取りに引っかかった。愛媛県上浮穴郡久万郡露峰2853‐1である。
青色切符を切られた。俺は素直に認めて対応した。警部補から「はい、いいですよ」。
俺は「免許書を返してください」というと、「返した」の一辺倒で俺を疑って警察官は探そうとしない。
ポケットや財布を捜したが出てこない。周辺をや足元を探したりしたが、無いというが、俺の動作を見ているだけで、警察官の周辺を探そうとしない。何回無いと言うのに信じない。20分程探していると、やっと警察官は自分の周辺を探し始めた。
すると直ぐに出てきた。俺が何回も「無い」と言っても信用せずに、悪意を感じた。
免許が見つかった時も「申し訳ありません」、「すみません」の一言も無かった。迷惑を掛けても謝罪しない。傲慢無礼な態度が愛媛県警の諸悪の根源でないのか。 俺は素直に応じたが、人間味の無い警察官は○警部補だ。
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愛媛県警というと、「捜査費請求領収書偽造を指示した犯罪組織幹部告発」した事件で告発した警察官に対し報復人事をやり、松山地裁は、「警察官の訴えを認め、人事異動には県警本部長も関与」と認め、判決を言い渡した。
松山ICから今治IC近くのスーパーで、夕食を購入し、来島海峡を渡ると大島南ICを出ると、大島の南端の亀老山(307.8m)に登る。
亀老山山頂にある駐車場で車泊の予定で、トイレ等の設備を点検する。
亀老山は瀬戸内海国立公園に指定され、パノラマ展望台ブリッジから今治市街を一望できるほか、世界初の三連吊橋である来島海峡大橋(4105m)、日本三大潮流の来島海峡、瀬戸の島々を見渡すことができる。大橋はライトアップされ、市街地は夜景も美しい。四国山脈の西日本最高峰、石鎚山までも見渡すことができる。
終点の駐車場には、アイスクリームの売店があったが、本日は閉店している。展望台は、地中埋蔵式のユニークなデザインで、洒落たデザイン。来島海峡大橋を一望できる。
夕焼けを眺めて、就寝の準備を考えていると、愚妻から自宅まで何時間で帰れるかとの質問に、素直に「3時間ほど」と答えると、それでは「自宅に帰宅する」と命じられる。
素直に従うしかない。実権を握る者には尻尾を振る俺だから。 長崎から来た夫婦が、道駅よしうみいきいき館に泊まるというので後を追ってみると、真っ暗な駐車場であり、寝るには一番かもしれないが、愚妻の決心を聞いた後では、言い出し事も出来ず、広島に向かって走る。
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