テント生活 食事
昭和40年ごろの俺たち山仲間達との出来事、装具などの思い出を語ってみたい。
マッチが無い

  一人で豪円山のキャンプ場にテントを張った。
 豪円山キャンプ場には、だれもいなかった。
 俺一人だ。
 暗くなってキャンプ場に着き、テントを張り終わった。
 夕餉の準備を始めようとし、コンロを取り出して気が付いた。
 ラジウス・ストーブの箱の中に入れていた、マッチがない。
 俺はタバコを吸わない。
 何回探してもマッチが無い。
 お湯が沸かせないし、ご飯も作れない、非常に困った事になった。
 キャンプ場の近くにある土産物店、レストラン等の店に行った。
 近くの店は既に暗く、奥の方には電気は点いていた。
 あつかましい人なら、入り口を叩き手に入れたのかもしれないが、俺には出来なかった。
 その日は、空腹に堪えそのまま寝た。
 翌朝、お店が開くのをまって入手した。
 そして初めて、山に持ち込んだラジウスを使用しようと、ガソリンを入れたが、火が吹かないでグズグズ燃えなんだか様子が違う。
 山陰のスポーツ店で初めてストーブを購入した。
 店員は、コンロはラジウスがよい、燃料は灯油もガソリンも使用出来るというので、「ラジウス」を購入した。
 店員は、使用方法を説明せず、俺も点火すれば燃えるものと思っていた。
 予熱の必要性があるとは思わなかった。
 その後 入会した会では、ホエーブスを使用していた。
 この「ラジウス」は、灯油を燃料としていた。
 スウェーデン製の小型ストーブで、日本の登山者の仲では小型ストーブの総称の様に呼ばれていた。
 「ラジウス」は灯油用ストーブを言う。
 オプティマス社に吸収されたが流通経路の関係で、オプティマスよりラジウスがよく日本に入ってきたようだ。
 入会した後で、先輩にそのスポーツ店の事を聞くと、山の道具はそこでは購入しない。
 その店は、カタログで取り寄せるだけの店だと知った。
 日本では、灯油ストーブはラジウス
        ガソリンストーブはホエーブスといわれてきた。