小夜話の第22話にも書いたのですが、最近僕の音楽の聴き方が、パソコンに取り込んだ音源を再生する方法に変わってきました。
これまではウォークマンに転送することを目的に、SONYのx-アプリという管理ソフトを用い、ファイル形式としてはATRACという圧縮音源を使っていました。
ここに来て、PCオーディオが注目を集めつつあり、パソコンによる高音質再生がひとつのトレンドになってきています。そこで、高音質音楽配信での主流となっているFLAC形式で、ライブラリを再構築することにしました。
ローカルのパソコンに"FLAC"というフォルダを作って音楽データを格納しても良いのですが、「ミュージックサーバー」という語感が素敵なのと、NASとしての機能が欲しかったので、1台サーバー専用パソコンを組み立てることにしました。要点は、コンパクトで消費電力が低く、なにより音楽専用ということで音が静かなこと。選んだパーツは以下の通り。
1.マザーボード ASROCK AD2700-ITX
mini-itx規格のINTEL ATOM-D2700搭載のマザーです。ファンレスで消費電力が大変に小さい。
2.メモリ DDR3 SO-DIMM 2GB
サーバー用途なので2GBで十分です。
3.ハードディスク
当初は2TBのものを購入する予定だったのですが、サブマシンのデータ用として使っていた1TBのディスクを流用しました。
4.DVDドライブ
余っていたLG電子のもの。
5.PCケース IN-WIN IW-BP671/J
mini-itx用のコンパクトなケースで、300W-80PLUS電源を搭載しており、標準タイプのDVDドライブを積めることがポイントです。
6.サーバーOS Vortexbox 1.10
VortexboxというのはLINUX系の音楽専用サーバーソフトで、CDのリッピング、データベース作成、音楽配信・再生機能を持っています。インストールが簡単で、CDを入れると自動でリッピング-データベース作成までやってくれます。SAMBAサーバーを搭載しているのでNASとしての利用も可能となります。又、DAAPサーバーの機能を用いて、クライアント側のiTunesからの再生も可能となっています。もちろんDLNAサーバーも搭載しています。クライアントの再生ソフトはWindowsでは音質に定評の有るfoobar2000。wasapi(排他)モードで使っています。Windowsのミキサーを介さずに音声出力するので、明らかに音質改善されたことが判ります。Ubuntu(LINUX)ではRhythmBoxを使っています。双方ともDLNAプラグインを用いています。
今回の計画では2000枚程度のライブラリを構築する予定にしています。滅多に聴かないCDは取り込む必要は無いでしょうし、SACDなどの高音質ディスクは直接CDプレーヤーで聴いた方が良いと思います。
実際に動かしてみると、負荷が小さいため電源ファンは大変に静かです。最もうるさかったケースファンは、マザーボードの機能を使って回転数を落として使っています。CPUファンは元々付いていないのでかなり静かなサーバーに仕上がりました。無音とは行かないのですが、音楽を聴く上で支障の無いレベルには仕上がっていると思います。
肝心の音質ですが、ロスレスのFLAC形式ということで、全く不満はありません。CDを直接再生するのと比べ、もしかしたらそれを上回っているかもしれません。外付けDACのTOPPING D2の性能に負うところも大きいと思います。