第2話〜エンニオ・モリコーネとミレイユ・マチュー
(2003/09/06)

 今年のNHK大河ドラマは吉川英治の「宮本武蔵」である。その主題曲、および劇中音楽を書いているのが、マカロニウエスタンの音楽で有名なイタリアの作曲家エンニオ・モリコーネ。「武蔵」では劇的というより、むしろクラシックを思わせる優美な音楽を聴かせている。

MireilleMathieu chante EnnioMorricone ということもあって、急にモリコーネの曲が聴きたくなった。引っ越し後やっと整理の済んだレコード棚を探してみると、モリコーネの曲を、フランスを代表するシャンソン歌手ミレイユ・マチューが歌った1974年のアルバムが見つかった。ミレイユ・マチューは我が国で言えば美空ひばりのような存在で、アビニヨン出身の彼女は16歳の時パリに上り、TVの歌番組でエディット・ピアフの「愛の賛歌」を歌ってチャンピオンとなった。「ピアフの再来」と呼ばれ、ポール・モーリア作曲の「愛の信条」で颯爽とデビュー。ヨーロッパではエリザベス女王に次いで人気のある女性と呼ばれた時期もあった。

 レコードに針をおろし聴き進むと、いつものマチューとは違い少し押さえたトーンで劇的に歌い上げている。母国語のフランス語はもちろん、イタリア語の楽曲もなかなか聴き応えがある。やはりモリコーネは劇音楽の作曲家だった。

 このアルバム、現在国内では入手困難のようである。WEB上を探してみるとこういうページがあった。なんと全曲聴くことができる。著作権上の問題はどうなっているのかわからないが、ロシア語を厭わなければ聴いてみられると良い。最近の音楽ではなかなか味わえない、豊かな音楽性を感じることが出来るであろう。

モリコーネによる「武蔵」の音楽はこちらで聴くことが出来ます。
ただし、ブロードバンド環境でないと、少し辛いかもしれません。


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