第4話〜三種の神器
(2012/11/01)

ネットワークオーディオを構築するために必要なクライアント側のソフトウェアを紹介します。

iTunes■プレーヤー
 クライアント側には再生ソフトが必要です。簡単に始めるのならiTunes(右)が便利です。Vortexboxがネットワーク上で認識されれば、iTunesの左側に表示されます。iTunesではFLACファイルは再生出来ないのですが、DAAPサーバーによってWAVファイルに変換され、iTunesで再生可能となります。
 私が今使っているのはfoobar2000。WINDOWS Vista以降では、WASAPI排他モードと言って、WINDOWSのカーネルミキサーを介さず音声を出力する機能が使えるため、音質が格段に向上します。foobar2000はこのWASAPIが使えます。又、様々なプラグインに対応しているため、容易に機能を拡張することが出来ます。ColumnsUIという機能を用いれば、インターフェイスをお好みのものに変更することも可能です。
 その他にはWINAMPなどがよく使われるようです。

■タグ編集ソフト
 Vortexboxで取り込んだファイルには、自動でタグが付けられますが、それは決して一貫性のあるものではありません。例えばベートーヴェンの交響曲第9番をリッピングした場合、そのジャンルが'Classical'だったり’Symphony'だったり様々です。又アーティストが'Beethoven'だったり'Karajan'だったりするわけです。たくさんの曲をサーバーにため込んだ後、「カラヤンのベートーヴェン交響曲第9番が聴きたい」となった場合、適切なタグ付けがなされていないと探し出すのは容易ではありません。私は上のような場合、ジャンルは'Symphony [Beethoven]'、アーティストは'Herbert von Karajan,Berliner Philharmoniker'という表記で統一するようにしています。
 そういった用途に使うのであればMp3tagというソフトが便利です。日本語表記も可能ですので、さほど使うのは難しくないと思います。freedbを使ったタグ取得も出来ますし、ジャケットアートの登録、変更も可能です。

■リッピングソフト
 VortexboxはCDの自動リッピング機能を備えています。CDを挿入すれば自動で読み込みを始め、終わると自動的に排出されます。ジャケットアートの取り込みも自動で行ってくれるはずなのですが、私が使っているVortexbox 1.10ではなぜかうまく行きません。Amazonあたりで探してきて、それぞれのフォルダにfolder.jpgという名前で登録すればうまく反映されるようです。
 読み取り精度もよく、勝手にリッピングしてくれるのでなかなか快適なのですが、サーバー専用機に移行して以来、なぜかリッピング時間が大幅に長くなってしまいました。1時間のCDを読み込むのに約20分掛かってしまいます。以前余っていたパソコンでVer1.9を試用していた時は10分程度で終わっていたのですが、非力なAtomを使っているせいか、それともバージョンが変わってリッピングのアルゴリズムが変わったのか、ともあれ、大量のCDを処理するには向いていないようです。

 よって、クライアント側で処理し、サーバーへ格納する方法も考えられます。

 読み取り精度にこだわる方には、EAC(Exact Audio Copy)というソフトがよく使われるようです。私のメインパソコンで実行した場合、取り込み速度も速く、正確に処理されるようです。ただ参照するデータベースが弱く、CDの情報を取得できない場合も多々あります。ジャケットアートの参照機能も強力とは言えず、タグの付け方にも若干くせがあります。よってMp3tagでの必須となります。私の所ではWAV→FLACの変換用途に主に使っています。

 最近使うようになったのが、SONYが提供しているMedia Goというソフトです。Gracenoteという強力なデータベースを参照するため、タグの情報が極めて正確、またジャケットアートの取得も自動でやってくれます。フォルダの作成も自動で行い、[アーティスト名]-[アルバム名]と入れ子形式でフォルダを作ってくれます。FLAC形式のエンコードが可能ですので、そのままVortexboxのデータフォルダに移動すればOKです。ただその前にMp3tagでジャンルの整理、ジャケットアートの分離をやっておくと良いでしょう。

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