不思議な空気がやってきた
第3話 どこで使おう
(1997/04/30作成)



 いままで私がこのシステムと呼んできたもの、これを改めて真気システムと呼ぶことにします。真気という言葉は、中国の医学古典「黄帝論」の中に「きれいな良い空気(真気)を呼吸し、良い穀物(穀気)を食べれば(元気)になる」というところから来ています。表題の不思議な空気とは実は真気と呼ばれるものであったわけです。  

 前回まででお話ししたとおり、この真気システムには驚くべき可能性が秘められていることがおわかり頂けたかと思います。現在までに様々な分野での応用が試みられています。  

その1 パチンコホールへの応用

 パチンコ屋さんの空気の悪さに辟易したことはありませんか。その元凶はタバコの煙であることは言うまでもありません。近年女性客の急増に伴い、快適空気環境をめざして、電気集塵機の設置が進んでいることはご存知の通りです。ただし紫煙の除去には一定の効果は発揮するものの、匂いの除去は充分とは言えません。  

 そこで注目を集め始めたのが真気システムです。喫煙によって空気中のプラスイオンが急増するとの報告がありますが、このシステムの設置によって、イオンバランスが改善され、爽快な環境を創り出すことに成功したとあります。現在までに設置例が15店ほどあるそうです。  

その2 半導体製造工場  

 海岸沿いの半導体工場の最大の悩みは、取入外気に含まれるナトリウムイオンです。これが半導体製造の歩留まりを悪化させることはよく知られています。その対策としてソルトフィルター注1を設置し、ナトリウム除去を行っています。これに変わるものとして、真気システムが注目されます。ナトリウムイオンは水溶性ですので、このシステムは大きな効果を発揮します。加えて適度な加湿効果がありますので静電気防止にも役立ちます。同じような理由でコンパクトディスク製造工場への採用も聞いています。  

その3 病院の手術室  

 一般的な方法として、HEPAフィルター注2によるクリーンルームの構成が行われていますが、この方法の問題点として、手術野が乾燥傾向にあることが指摘されています。特に脳外科、眼下の手術の場合、部位に常時生理食塩水をかけて乾燥を防いでいるそうです。これを真気システムに置き換えることにより、手術野の環境が大幅に改善されます。  

その4 食品加工、保存分野  

 真気システムの特徴により、生き物に対してより効果が挙がることは理解されたと思います。その特性を生かして食品分野への応用が最も進んでいます。食品の鮮度保全と清浄性が同時に達成されるのですから、これほどおいしい話は他にありません。また真気システムを用いれば、食品の表面に霜がついたまま解凍するという離れ業が可能です。  
   

これで最終回です。 


注1 空気中の塩分を除去するフィルター
注2 清浄な空気を作り出す超高性能フィルター


参考文献
  
真気技術    Vol1.1 No2    田代孝司 ジオクト  
イオン・クラスター・エアー Vol3 No.1    神野覚  ジオクト


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