グランド・オダリスク
アングル

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「グランド・オダリスク」 Grande Odalisque (1814)
ジャン-オーギュスト-ドミニク・アングル
【Ingres, Jean-Auguste-Dominique】(1780-1867)
油彩 91×162cm ルーブル美術館蔵

半身を大きく捻り振り返る裸身の女性。
肩から腰への曲線は、なめらかさを強調するように表現され「実際よりも脊椎骨3つ分体が長い」との批判さえともなった事で有名な、アングルの「グランド・オダリスク」です。

彼女の表情のなんと艶美なことか。
「オダリスク」とは「トルコ後宮」を指します。
画家の筆は、後宮に使える女性を踏みにじられ搾取されるものとしてではなく、駆け引きをも知り得て、匂い立つような色香を持った----したたかでしなやかな猫科の動物のような----優美で蠱惑的な存在として描きとっています。

彼女はプライドさえ感じさせる自信に満ちた眼差しで、静かに衆人を見据えているような気がいたします。

WEB美術館主任学芸員
へんりー

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