音楽
マティス

「音楽」Les Musiciennes(1939)
マチス【Henri Matisse】(1869−1954)
油彩:115 x 115cm
オルブライト・ノックス美術館蔵

フォーヴ(野獣)ィスムを展開したフランスの画家、マティスの作品は、平坦で、鮮やかな色彩を持ち、一見して、おおらかで、明快な世界に感じられます。

しかし、彼はこのバランスと色調が与える視覚効果を、様々な思索の上に作り出していました。
2人の女性というモティーフはマティスの作品の中で多用されていますが、お互いをいかに調和させ、引き立てていくような存在感を与えるかが重要なポイントとなります。

この「音楽」という作品の制作過程は、1939年3月17日から4月8日までの間に、どのような経緯があったのか18枚からなる1連の写真が残されています。

姿勢、向き、背景などに至るまで、どうしていったら一体感を持たせることが出来るか。
幾何学的な設問を解いていくように、彼は構図を決めていきました。
南国の花のような、自然で豊かな世界が、こういった試行錯誤の上に造られたものであるということに、また改めて画家の非凡を感じます。

WEB美術館主任学芸員
へんりー

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