圧倒的なマクロ性能を持つE950だが、多くの方がピント合わせに苦労されていると思う。コンパクトデジカメの多くが採用しているコントラスト検出式AFは、コントラストの強い部分にピントを合わせようとするため、多くの場合背景に合ってしまう。上のオオイヌノフグリは花の大きさがわずか数ミリ。背景のコントラストが比較的強いため、通常の方法ではまずピントは合わない。
そこで検出速度が遅いというコントラスト検出式AFの欠点を逆用してピントを合わす方法を工夫してみた。
左の写真を見て頂こう。実は私の左手である。右手でE950を構えレンズ先端より数センチ先の手に一旦ピントを合わせる。その状態で素早く被写体にレンズを向けるのだ。緩慢なAF動作のおかげで至近距離の被写体にうまくピントが合ってくれる。
そうやって合わせたのが左の写真。大きさ1cm程度の小さな雑草で、はっきりとした模様もなく極めてピントの合いにくい被写体だと思う。しかし上に書いた方法で比較的スムーズにピントが合ってくれた。
この方法の場合、都合がいいのがE950のコンティニュアスAF。至近距離にピントを保持したまま被写体に徐々にフォーカスして行く。そしてここぞと思ったところでシャッターを切ればよい。これで圧倒的なE950のマクロ性能を満喫できるのだ。
最近気づいたのだが、E950のフォーカスポイントは必ずしも中央一点ではないようだ。この作例でもわかるとおり、ピントは左上部に寄った所に来ている。結構広めの範囲でピント検出を行っているようだ。日の丸構図になりがちなマクロ撮影であるが、E950のいい加減なAF特性を活かせば、作画の幅も拡がるのではないだろうか。★Menuに戻る 次のページへ★