これまでCoolpix950を誉め称える文章ばかり書いてきたような気がするが、この名機にも弱点はある。その最大のものが今回紹介するレンズの歪曲収差だ。
圧倒的な描写力を誇るE950のニッコールレンズも、広角側の樽型歪み、望遠側の糸巻き歪みがかなり目に付く。日頃一眼レフでは単焦点ニッコールを使っていて、建築物をよく撮るために歪曲については人一倍敏感なのかもしれない。それにしてもE950の歪曲はあまりに大きい。
個人的には、歪曲した絵は画像品位を著しく損なうと考えているため、無意識のうちに広角側で直線的な被写体を撮ることを避けていたようだ。単焦点デジカメCP-800はその点では申し分なく、安心して建築物を撮影できる。
しかし極めて優れた解像力を持つE950を、歪曲故に広角側を使わないと言うのはあまりに勿体ない。なんとかならぬかと探していたところ、素晴らしいソフトを発見した。
芝達さんの作られたImageFilterというグラフィックソフト。様々なフィルターが用意され、トーンカーブまで備えているのには驚きだ。
左の写真は広角端で撮った神社の案内板。歪曲の大きさがおわかりであろう。これをImageFilterで補正したのが右の写真。ほぼ気にならない程度に補正できた。
過剰に補正を掛けるより、若干収差を残した方が自然な感じで仕上がるようだ。
この素晴らしいソフト、フリーウェアとして公開されている。E9XXユーザーの方には文句なしのお薦めである。
今回の画像はお寺を広角端で撮影したもの。ImageFilterで歪曲補正を行っている(-80)。
PLフィルターを用いてガラス面の反射を抑え、落ち着いた感じを狙ってみた。★Menuに戻る 次のページへ★