第3話〜恐るべしニッコール
(2001/05/31)

E950を買って以来、その圧倒的なマクロ性能にすっかり惚れ込んでしまい、小さな草花ばかり撮っていたが、E950の広角側を殆ど使っていないことに気が付いた。これではいかんと言うことで、家の近所にある広島市郷土資料館に散歩がてら立ち寄り、建物の外観を何枚か撮ってみた。これがその中の一枚。

f=10.5mm F8.4 1/82sこの赤煉瓦の建物は、戦前は糧秣支廠と呼ばれ、軍の食料倉庫などに使われていたらしい。昭和20年の被爆時には、爆風で屋根の鉄骨がひん曲がってしまうほどの衝撃を受けた。
貴重な被爆建物ということで、数年前に大規模な修復工事を受け、現在の郷土資料館として生まれ変わった。曲がったままの屋根の鉄骨は屋内から見えるように工夫されている。被爆の証人は原爆ドームだけでは無い。
ここではかなり難しい光線条件であるが、テストを兼ねての撮影なのであえて意地悪をしてみた。それでもさすがにニコンの分割測光、シャドーはしっかり階調を残し、ハイライトの飛び方もさほど唐突では無い。

見事な解像力この赤煉瓦の建物はレンズのテストには好適で、解像度、歪曲などレンズの性能を明らかにしてしまう。
中央部の樹木の部分を200%に拡大したものが右の写真。拡大しただけでシャープネスなどは一切掛けていない。煉瓦の一つ一つがきれいに解像していることがおわかりであろう。EPSON CP-800ではここまでは解像しきれていなかったので、レンズ解像力の面ではE950が一歩上と言うことが出来る。

ただ抜群の細部描写力を誇るE950のニッコールレンズにもアキレス腱は有る。上の作例は比較的歪みの少ない50mm(35mm換算)付近で撮ったものであるが、広角端、望遠端では盛大に歪んでしまう。そのお話はまた別の機会に。

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