へたうま見聞録:「W杯徒然(8):お楽しみは4年後に」      
      その6:「W杯徒然(8):お楽しみは4年後に」
     


 W杯出場チームは、負けても優勝しても翌日にはさっさと帰国してしまう。故郷を背負った真剣勝負の世界や、それぞれの国の個性豊かな応援団。日本でこれと似たような状況のスポーツとして、高校野球が思い浮かぶ。もしかすると、日本にはW杯を受け入れる土壌があったのかも知れない。今まではあまりにも情報がなさすぎたし、どこかの出来事でしかなかった。

 W杯は確かに身近なものになった。何より「W杯を開催した」という事はすごい事なんだ、と今更のように実感する。外国に行っても「W杯を開催したのです」「あなたの国のチームは●●県にきていたんですよ」と言えるではないか。
 そしてW杯は、日本の忘れていた良さを思い出させてくれように思う。

 次回のW杯は2006年のドイツ大会。強豪国は、過密スケジュールで選手が疲弊してしまった、今回のような失敗はしないだろう。誤審問題・チケット問題は、もう起きて欲しくない。
 誤審問題に揺れ続けた後の準決勝ドイツ=韓国戦で、毅然として試合を進行する審判の姿は、とても印象的だった。いい試合は、選手だけでできるのではないと思った。
 チケット問題は、会場外にチケットを求める人がたくさんいるのに会場は空席がいっぱい、というのは何ともやりきれない。
 ドイツでは、満員の観客の元で、白熱した試合がたくさん見られることを願っている。

 最後に−。
 優勝国のブラジルに、おめでとう。
 すべての国に、ありがとう。素晴らしい試合を見せてくれました。これだけスリリングでスペクタクルで、喜怒哀楽あふれるドラマがあるとは知りませんでした。
 開催国の日本と韓国に、ありがとう。まさに一生に一度の素晴らしい体験でした。
 韓国は、選手たちの絶対あきらめない前向きな姿とともに、「テーハミング」の無限大の力を持つ12人目の選手が忘れらない。3位決定戦後の韓国・トルコ両チームの選手たちが肩を組みあい一緒に行進していた姿は、とても感動的だった。

 「W杯はオリンピックを超える祭典」は本当だった。
 4年後は、世界の人々がW杯を、今回よりももっと心から楽しめる、そんな時代である事を願ってやまない。

(終わり)

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 (2002/7/21)

(C) HETAUMA HONPO 2002


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