炭は人が火を使い始めてからずっと、暮らしの中で役に立ってきたものです。
これが近年色々な所で、不思議な効果があることが見直されて来ています。
 木炭の生産量は、昭和32年の年間222万トンを境目に平成11年には、11万トン
にまで減少しています。昔は、いかに木炭と係わっていたか分かります。

 木に、空気を遮断して熱をかければ、木から水分とガスが抜けて炭が出来上がります。
炭の種類は、材料や温度、時間、空気の量によって、炭の種類や吸着する成分が、
変わってくるそうです。
 1グラムの炭のなかになんと、表面積は、200〜300uにもなり、家の広さに換算すると
2軒〜3軒分の面積になります。これだけの広さの細かいフィルターと考えれば、
シックハウスの原因とされる有害物質を吸着するに十分だと納得できます。

炭の分類(燃焼過程の諸条件により性質は多少変わります。)

広葉樹
 ウバメガシ
 クヌギ
 ナラ
 カシ
中温炭
(黒炭)
柔らかく火付きが良いのでバーベキューなどの燃料用として
使われています。
高温炭
(白炭)
(備長炭)
硬く火持ちが良く遠赤外線効果もあり、ミネラル分を多く含んでおり、
焼き鳥や水や御飯をおいしくするのに利用されています。
 備長炭の両端にアルミホイルを巻きつけ、片方に乾電池を付け
豆電球のコードを接続すると備長炭に電気が流れ点灯します。
 炊飯器の中に入れて炊くとふっくらして臭いも付きにくいです。
針葉樹
 アカマツ
 スギ
中温炭 多孔質なので表面積が広く、吸水性、調湿性にすぐれており
断熱性が高い。
高温炭 燃料に向かないが、調湿性、吸着性、酸化防止、磁場安定に
すぐれており、住宅用に適していいます。
 床下調湿材として採用しました。

 マダケ
 モウソウチク
 ハチク
中温炭 多孔質なので表面積が広く、調湿性、吸着性にすぐれており
ミネラル分が解けやすい形で含まれています。
水の浄化作用に良い。

酸性 中低温炭 アンモニアなどのアルカリ性の臭いや、油分を良く吸着する。       
アルカリ性 高温炭 NOxやCO2の酸性ガスやエチレンガスを吸着する。

炭とイオンの関係(住宅研究会会場での実験結果)

人のいない8畳ほどの部屋で、炭のない状態と炭を置いた状態でのマイナスイオンと
プラスイオンの数の変化を比較してみました。 (日の丸カーボンテクノ葛ヲ力)
   炭のない状態   炭を置いた状態
 マイナスイオン   2,000〜2,200個/cm3   2,000〜2,200個/cm3 
 プラスイオン  3,200〜3,500個/cm3  1,000〜1,200個/cm3
 実験の結果マイナスイオンに変化なく、プラスイオンのみ減少したことから。
プラスイオンは、何処え消えたのでしょう?炭の中しかないはずです。
 炭と空気中の水分が電気的な付着で、炭とHプラスが結びつき、OHマイナスが
空気中を漂い、マイナス化減少が起こったと考えられます。
 そして炭は、マイナスイオンを放出していないとゆう結果になりました。

炭のメカニズム

 古くは、東大寺の正倉院の床下にも炭が埋設してあると言われており、何らかの根拠に
もとずいた生活の知恵であったと考えられます。
 地元の森の間伐材を利用して炭を作り、雑木林が整備され、さらに炭を利用することで、
CO2などが吸着され空気が浄化されてたとすると、自然の理にかなっているのだと実感
しました。

 シックハウスの原因とされているホルムアルデヒドは、水溶性なので空気中の水分と
混じりあって空気中を浮遊しています。炭は水分を付着しやすいのでホルムアルデヒドと
一緒に吸着してくれるようです。

 マイナスイオンは人体の新陳代謝をうながし、活性化する効果があるといわれおり、
炭の周囲は、マイナスイオンが多いいことで、何らかの効果が出ていると思われます。
まだまだ解明できない部分は多くありますが、昔から利用されてきた自然の素材を
建物のなかで上手に使っていきたいと思います。