VortexBoxとはなにか
(2014.06.02)

ここでは2014年での最新バージョンあるVortexBox 2.3について紹介します。
VortexBoxとは音楽再生に特化したLINUX系サーバーOSです。機能としては、

1)CDのリッピングおよび格納
2)Logitech Media Serverによるデータベース作成および音楽配信機能
3)SAMBAサーバーによるファイル共有機能
4)SqueezeLiteによる音楽再生機能

と、音楽アルバムをデータベース化し、ネットワーク配信および再生する用途に用います。
VortexBoxはサーバーOSですので、操作は他のパソコンやタブレットなどのクライアント側で行います。

LMS

■各機能について簡単に説明しますと。

1)CDのリッピング機能
CDを挿入すると自動的にリッピングが始まり、ネットワーク上のデータベースを参照しタグ付けを行います。作成されるデータは可搬性に優れたFLAC形式で、同時にMP3もしくはALAC形式の作成も可能です。

2)Logitech Media Serverの機能
以前はSqueezebox ServerとDLNAサーバーが個別にインストールされていたのですが、このたびLogitech Media Serverとして一本化されました。デフォルトでは音楽データのみ配信する設定になっていますが、ビデオ、写真を配信するように設定を変えることが出来ます。
データベースは楽曲ファイルのタグに基づき作成されます。アルバム名、アーティスト、曲名などをキーとして自由に検索が可能です。よって、FLACやMP3のようなタグ情報を記録できるファイル形式で運用することが基本となります。
このサーバーの特徴は、なんといっても動作が機敏なこと。データベースやアルバムアートの情報をメモリ上にキャッシュとして展開するため、クライアント側での動作が極めて高速です。

3)SAMBAサーバーの機能
VortexBoxはLINUX上で動いていますので、Windowsとはファイル形式が違います。それをWindows上での操作を可能にするためのSAMBAサーバーが動いています。私の所ではリッピングをWindowsで動作するMediaGoで行い、MP3tagでタグの編集を行った後にVortexBoxのフォルダーにコピーするようにしています。一つ気をつけなければいけないのが、ファイルをコピーしただけではデータベースは更新されません。Logitech Media Serverのsetting画面で手動で更新する必要があります。

4)SqueezeLiteの機能
今回のバージョンアップで最大の目玉はこのSqueezeLiteでしょう。ハイレゾ音源に完全対応し、ギャップレス再生も可能になりました。DSDファイルについてもDACが対応していればネイティブ再生が可能のようです。もちろんPCMに変換しての再生も可能です。
肝心の音質は、音質面では定評の有るWindowsのfoobar2000+WASAPIを完全に上回ります。低域に力があり、残響音が綺麗に再現されます。空気感の表現力という意味では屈指のプレーヤーではないかと感じています。よってSqueezeLiteは我が家のメインプレーヤーとなってしまいました。

■DMCによる操作についてSqueezer

DMC(デジタルメディアコントローラー)とは、Logitech Media Serverを遠隔操作するためのもので、私はAmazonのKindle Fire HDというタブレットを使っています。アプリはOrangeSqueeze又はSqueezerというLogitech Media Server専用のものを使っています。これらのアプリはサーバー上のデータベースを直接操作し、データベースはプレーヤーに再生指示を出します。OrangeSqueezeの場合はアルバムアート情報をタブレットの記憶域にキャッシュしますので、一旦キャッシュしてしまえば以降アルバムアートの表示が極めて高速になります。Squeezerの場合はそういった機能は持たないようなのですが、サーバーのメモリー上に展開されたアルバムアート上にアクセスするため、これもまたなかなかに高速です。通常のNASとネットワークワークプレーヤーで、メーカーが提供するアプリを使った場合、レスポンスが悪いとか、アルバムアートの表示が遅いなどとの声が聞こえてきますが、VortexBoxの場合そういうことは起こりません。

こうしてサーバー、プレーヤー、専用アプリを組み合わせて使うことにより極めて快適な環境を実現しています。

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