
曲名と演奏者を見て「おやっ?」と思った方もおられるかもしれない。日本ではDENONレーベルから出ている、よく知られた演奏だからだ。米コロンビアは現SONY
CLASSICALの前身で、ジョージ・セルやブルーノ・ワルターの録音を出していた。対してランパルは仏エラートの看板アーティストで、このLPを見つけたときなんだか不思議な感じがした。
この演奏は1972年に日本コロンビアによってデジタル(PCM)方式にて録音された。当時はアナログ録音の全盛期で、NHK技研と日本コロンビアが共同開発した「音質劣化」の無いデジタル(PCM)録音は画期的な録音技術として注目を集めた。そして現在はデジタル録音が主流となっているのはご承知の通り。この演奏は日本コロンビアがPCM録音を開始した、まさにその年に録音されたもので、若干冷たい感じの音色ではあるが、ランパルのフルートが鮮明に記録されている。当時米コロンビアと日本コロンビアはなんらかの提携関係にあったのであろう。もちろんこのアルバムは日本では日本コロンビアから発売されている。(OX-7007)
ジャケットは米コロンビアのお家芸とも言える「タイポグラフィ」の技法でデザインされている。当初はジャズのアルバムで採用されたものらしいが、徐々にクラシックのアルバムでも使われるようになった。バーンスタインがニューヨークフィルを振った、ビゼーの「カルメン」組曲のジャケットなど、まるでジャズのアルバムだ。当時の日本ではなかなか受け入れられないデザインだったろうが、アメリカ文化の自由な一面を垣間見られて興味深い。
Aug.2006