ニーチェの『ツァラトゥストラはかく語りき』に触発されて、R・シュトラウスはこの雄大な交響詩を書き上げた。特に冒頭の地をはうオルガンの低音部に乗せて、トランペットが高らかに主題を歌い上げる導入部は、映画『2001年宇宙の旅』で取り上げられ一躍有名になった。またエルビス・プレスリーが自らのコンサートのオープニングに用い、後に多くのアーティストのイベントでも取り上げられるようになったことでも知られる。
「ツァラトゥストラ」とはゾロアスター教(拝火教)の開祖「ゾロアスター」のドイツ語表記である。
冒頭の部分のみ有名になってしまったこの曲であるが、一度全曲を通して聴いてみられるとよい。近代オーケストラの表現力の豊さを存分に味わうことが出来る。
このアルバムはCDで購入したものであるが、1970年代のカラヤン/ベルリンフィルのアルバムが、ほぼ同じデザインであった。太陽を崇拝するゾロアスター教にちなんで、日蝕をデザインしたものであろう。