
アーノルド・シェーンベルクといえば、12音技法を駆使した難解な作品で知られるが、初期の作品においては調性を持ったいくつかの作品を発表している。この時期では『浄められた夜』が代表的な作品であるが、この『ペレアスとメリザンド』作品5では、メーテルリンクの戯曲を題材とした交響詩の形を取っており、どこかワーグナー風の響きすら感じさせる比較的聴きやすい曲となっている。
とは言ってもワーグナーの『トリスタンとイゾルデ』、マーラーの交響曲第9番などと共通する、調性の不安定さが随所に感じられる。後のシェーンベルクの音楽を予感させる曲とも言えよう。
ジャケットはクリムトの『ユーディット I』。世紀末ウィーンを代表する芸術家として、クリムトの絵画はシェーンベルクやマーラーの録音に好んで用いられている。
(Nov.1999)