交響曲「大地の歌」
マーラー(1911)
Das Lied Von Der Erde
レナード・バーンスタイン指揮/イスラエル・フィルハーモニック
ルネ・コロ(テノール)
クリスタ・ルードヴィッヒ(アルト)
1972年録音 SOCO-80 CBS-SONY

9番目の交響曲で有りながら、ベートーヴェンやブルックナーが9番を最後として亡くなったのを嫌ってか、番号を付けず交響曲「大地の歌」(Das Lied Von Der Erde)としたマーラーだったが、9番の交響曲を完成した後、10番に取りかかったところで世を去ってしまった。

「大地の歌」は李白、孟浩然などの詩のドイツ語訳にハンス・ベトゲが手を入れたものをテキストとして作曲された。人生の寂寥をマーラーは見事なオーケストレーションによって紡ぎだしている。この曲はマーラーの全交響曲の中でも最も耽美な作品となっている。

この演奏はバーンスタインがイスラエルフィルに客演したときのライブ録音だと思われるが、残念ながらあまりいい録音状態ではない。バーンスタインの「大地の歌」としては、1966年にウィーンフィルを指揮した演奏が、素晴らしい緊張感を伴った超名演である。他に初演者ブルーノ・ワルターが1952年にウィーンフィルを指揮したもの、ハイティンクが1975年にアムステルダム・コンセルトヘボウを指揮したものなど名演奏が目白押しである。

ジャケットデザインはいかにも東洋的なものだが、どうやらこの絵をお手本にしたのでは無いかと思われる節が感じられる。北宋最後の皇帝、徽宋の「桃鳩図」である。

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