交響曲第1,4番
マーラー(1988,1900)
mahler 1,4

レナード・バーンスタイン指揮/ニューヨーク・フィルハーモニック
レリ・グリスト(ソプラノ-4番)
1966年録音 第1番
1690年録音 第4番
30AC1088-9 CBS-SONY

 バーンスタインのマーラーと言えば、晩年ドイツグラモフォンに録音したシリーズが、マーラーファンにとってはバイブルのような存在とも言える名演奏だ。但しマーラーに対する情念が煮えたぎっているような演奏で、気軽に聴くにはちと重すぎる。バーンスタインはニューヨークフィルの常任指揮者時代にもマーラーのシリーズを録音していて、僕が最初にマーラーを聴いたのはこのコンビでの2番「復活」だった。その演奏でマーラーの魅力に引き込まれてしまった僕は、以来現在に至るまでマーラーを聴き続けることになる。

 当時はゲオルグ・ショルティが、手兵シカゴ交響楽団を率いてマーラーの交響曲の録音を進めていた。こちらの方は英デッカの優れた録音技術で素晴らしい音響を聴かせてくれた。クラウディオ・アバドも独グラモフォンで全集録音を開始した。マーラーの音楽は、その性格から優秀な録音で聴いてこそ面白さが倍加する。いつのまにか僕がマーラーを購入する基準は、録音の優秀さに変わってしまった。

 1980年のアナログ最後期に、当時のCBS-SONYから2枚組廉価版シリーズで発売されたアルバムがこれ。1番の方はそれまでも知人に借りて聴いたこともあり、優れた演奏であることは承知していた。ただ4番は聴いたことがなかったため買ってみることにした。このシリーズの1960年代後半〜70年代前半の録音は、音に潤いが無く、フォルテシモは濁り、決して誉められた音質では無かった。このアルバムもそういう先入観でこれまでいたのだが、あらためて聴き直して見ると思いのほか音質がよい。1970年代後半からCBS-SONYはマスタリング、カッティングの技法を変更したらしく、ジョージ・セルやブルーノ・ワルターの廉価版シリーズでもめざましい音質改善を果たしていた。たぶん我が家で鳴っているこアルバムの音質は、現在入手可能なCDよりも音質的には優れているであろう。刺激的な音がせず、響きは瑞々しく、マスターテープには豊かな情報が記録されていることを伺わせる。注意深く製作されたLPは、その情報量の豊かさによって、並のCDを遙かに上回る音質を実現していると断言してもよさそうだ。

 このシリーズでは1961年に録音した3番の演奏が素晴らしく良い。マーラー好きの僕が、バーンスタイン自身が再びニューヨークフィルを指揮した新盤が出るまで、他の演奏には目もくれなかった程の出来映えだ。機会があれば聴いてみられると良い。

 ジャケットデザインはこのシリーズに共通したメルヘンチックなもの。S.Tsujimori氏のデザインである。SONY-CLASSICSには、これらの優れた演奏をオリジナルジャケットで廉価で再発して欲しいものだ。

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