ドビュッシー(1905)
神奈川沖浪裏
ピエール・ブーレーズ指揮/ニュー・フィルハーモニア管弦楽団
1966年録音 SOCL-15 CBS SONY

ドビュッシーは海を愛した作曲家だという。
幼い頃初めて見た南仏カンヌの海、留学先のローマ郊外で眺めた海。
しかし管弦楽曲『海』は、パリ郊外のビシャンという海からは離れた場所で作曲されている。

ここに一枚の写真がある。右上に見えるのは、不鮮明ではあるが、紛れもなく葛飾北斎の『神奈川沖浪裏』。1905年デュラン社から刊行されたこの曲の楽譜の表紙を飾ったのは、この北斎の浮世絵であった。
ドビュッシーが表そうとした海は、行ったこともない東洋の海だったのかもしれない。

このアルバムには、『牧神の午後の前奏曲』、ディアギレフの委嘱によるバレエ音楽『遊戯』も収録されている。

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