チック・コリア・ソロ
【Piano Improvisations】
チック・コリア(1972,73)
PIANO IMPROVISATIONS
チック・コリア/ピアノ
1971年録音 MP-2223,2292

白いジャケットに一筆書きで描かれたChick Coreaの文字。文字のみで表現された”タイポグラフィ”という技法である。カラフルにデザインされたそれよりも、時として強い印象を与える場合がある。
チック・コリア初のピアノソロは1971年、オスロのECMスタジオで録音された。それを2集に分け発売されたのだが、第2集の文字は緑色となっている。有名な”リターン・トゥ・フォーエバー”の1年前の作品である。

この音楽を単にジャズというジャンルに分類してよいのだろうか? 確かにチックの作品以外にセロニアス・モンクやウェイン・ショーターの作品を取り上げているので、ジャズには違いないのであろうが、私の耳にはドビュッシーやラヴェルなどの近代ピアノ曲の延長にあるように聞こえる。

この録音でチックは様々な技法を駆使し、ピアノという楽器の可能性を最大限に引き出している。しかし現代音楽のピアノ曲にありがちな、過度に実験的で無味乾燥なものとはなっていない。その音は美しく叙情的で、20世紀後半に私が耳にした中での最高のピアノ作品だと断言してしまいたいほどだ。

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