セシル・テイラー ソロ
【CECIL TAYLOR Solo】
セシル・テイラー(1973)
CECIL TAYLOR Solo
セシル・テイラー/ピアノ
1973年録音 PA-7067 TRIO Records

このレコードを聴くたびに、音楽のジャンルっていったいなんだろう?と考えさせられる。
セシル・テイラーというアーティストは、確かにジャズピアニストとして知られている。だからジャズだと思って針をおろすと、そこで奏でられる音楽はまるでバルトークかシェーンベルクだ。
同時代のピアニスト、チック・コリアのような豊かな旋律は無いし、キース・ジャレットのような禁欲的構成美も感じられない。

執拗に繰り出される暴力的なほどのサウンドの中に、時として懐かしい音色が聞こえてくる。ドビュッシーがその「練習曲」で示したような斬新な音階、日本の古謡「お江戸日本橋」の主題に似た旋律も。しかしそれもすぐにテイラーの紡ぎ出す音の渦にかき消されてしまう。

このレコードに針をおろすとき、ボッスの絵を見るときのような、怖いもの見たさに捕らわている自分を感じる。そして聴き終わったときテイラーの術中に落ちた自分を発見することになる。
(August 2000)

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