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龍東山 西楽寺

宝 物 館

草深い,中国山地の奥域に人知れずこの聞法の道場はありました。
こんな貧寒な田舎寺にも,多少の「お宝」もなくはない,というわけで,決して
名のあるような物品でもありませんが,ご座興にご紹介申し上げます。

 

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    T 木米作染絵茶器揃え

 江戸末期の京焼・清水焼の著名な陶芸家,青木木米の絵付け煎茶器一セットが,どうした因縁か当山に伝えられています。
 緑,赤の配色が野趣な中にも独特の調和を見せて,一種現代抽象画の気配さえ感じさせます。

 

 

 

U 清朝乾隆帝期染付茶器 

 先々代の住職が,戦前上海別院の輪番を勤めていたおりに,購って持ち帰ったものと思われます。
 糸底の銘は,一応「乾隆云々」となっておりますが,中国では日本人相手に,昔から猫にも杓子にも「乾隆」を入れて売りつけるのが,
一種の定石になっていたそうです。乾隆期の景徳鎮と言えばコロリと参ってしまうあたりは,何事にも権威に弱い日本人らしい弱味でしょう。今でも,そんな土産物が中国ではいくらでも出回っているそうで。

V (左)急須型火鉢 (右)昇竜模様清朝花瓶

 左の火鉢は,高さが60センチ近くあって,ほとんど実用の用には立たないものですが,一種の冗談道具として訪れる人々の苦笑混じりの驚嘆を誘います。全体の重量は,大の大人でも持ち上げかねるほどのものです。

 右の中国製花瓶も,正面竜のレリーフが迫力ありますが,バカでかいばかりで,はて何に使えるのか,首をひねらせられるしろものです。系譜的には明朝赤絵の伝統を引くものと思われます。

 

W 陶製阿弥陀如来立像(清朝期製)

 戦前中国大陸で手に入れたもののようですが,さてそもそもこの像が阿弥陀像であるのか,それとも観音像であるのかはっきりはしません。
 高さ30センチ前後,手の込んだ作りではありますが,あまり品の良い形姿ではないようです。色彩も派手で,日本の仏間にそのまま鎮座していただくのはいかがなものかと。床の間の飾りとして,長らく(それこそ60年以上も)置き忘れられていたものです。

 

 

 

 

X 国訳一切経全巻(大正期編纂本)

 有名な国訳一切経全巻です。これは,大乗経典のすべてを和文注釈を加えて編纂した,高名な大結集事業で,明治大正期の著名な仏教学者多数が係ったそうです。その有名な全集が,一巻も余すところなく,田舎寺の書棚にほこりをかぶって八十有余年に亘って残存させられていたということ自体が稀有なことでしょう。

 

 

Y 木彫牧童水牛像

 禅宗の有名な公案,牧童水牛に乗りて山に入る,の一場面の造形でしょうが,やはり中国大陸で手に入れたものか,その由来ははっきりしません。浄土真宗とはあまり関係のない置物ですが,年降りたツヤがあって,どこそこ謂れのありそうな雰囲気もないではない。

 

 

Z 小体鉄製火炉

 実に小体(プリティ)な,炉と小釜で(高さは10センチくらい),荒鉄の地肌がなかなかに味があります。一度も使われた様子はありませんが,漢詩の一情景,紅葉を炊いて酒を燗すの風流にはぴったりの小道具ではありましょう。

 

 

 

[ 日本画金魚図

 絹布に描かれた金魚の図で,江戸期の文人画の趣もありますが,「天荘」なる著名落款はあるものの,退色著しく,その画家の来歴もわからぬままに,この額に百年以上は放擲されて時を閲しております。

 

 

\ 織物・西湖風景画(1920年以前中国製)

 これも先々代,中国大陸に在りし頃に買い求めた一幅で,ある夏の日盛りの時分の,しんとした西湖湖上の静けさが神秘的なほどに写実的に描かれております。うかつに見れば写真としか思えないのですが,近寄ってよく見れば,絹布への黒糸刺繍によって成っていることがわかって人を驚嘆せしめるといった趣向です。

 

 

] 西本願寺門主(即如上人)御手植菩提樹

 昭和六十年,現ご門主即如上人には,地方巡礼の途上,当山にお立ち寄り。ご法話と菩提樹の御手植えをおつかわしになりました。
 仏教と菩提樹は釈迦一代の伝説でも明らかなとおり,その因縁には浅からざるものがあります。この樹の下で,仏教が生まれたと云ってもおかしくないほどで,仏家でのこうした記念すべき儀式には用いられます。

 

 

   

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