この資料は、とりあえずの粗集約と、総括の原案です。
従って、WINDOWS95システムの操作についても未熟な方からの「思い通りにコンピユ−タ−が言うことを聞いてくれない」ということに類する意見もとりあげてありますし、全体がC/Sシステムに不慣れなため、運用では一番未熟なレベルにあわさざるをえないことによって、逆に使いこなせている人からは、チンタラしているというような意見も提出されています。
このため関係部署の意見集約や真意の詳細を調査して、今後さらに発展的にとりまとめる作業をおこなう予定であるので、評価も変化する可能性があることを前提として、検討ください。

98年度上半期総括・コンピュ−タ−システム活用についての粗集約

1.患者サ−ビスの向上・業務内容の充実について
 患者さんの待ち時間が短縮した−−−−医局・薬局・医事・診療事務
 検査や外来診察の予約について患者希望をききながらスム−スに予約ができる、あるいは検査予約では注意が印刷されるので説明がしやすくなった、検査などの予約の確認がしやすいことなど−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−医局・1病棟・2病棟・7病棟・診療事務
 検査デ−タ−の参照や処方の参照ができる、検査結果での患者さんへの説明や結果を印刷してわたせる−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−医局・7病棟
 記入ミスがなくなった−−−−−−−−−−−−−−−−−医局
 検査もれがなくなった−−−−−−−−−−−−−−−−透析室
 透析ルチン検査の確実性向上−−−−−−−−−−−−−−臨床工学
 未入力がなくなった−−−−−−−−−−−−−−−−−−医事
 予約の応対がしやすくなった−−−−−−−−−−−−−−診療事務
 薬剤情報提供で患者さんに薬の説明しやすくなった−−−−−医局
 文書管理がしやすくなった−−−−−−−−−−−−−−−栄養科
 入院患者の主治医がわかるので情報収集しやすい−−−−−婦長室
 入院患者検索により電話での対応がへって煩雑さがなくなった−−−7病棟
 診察や薬の予約券がコンピユ−タ−化で患者さんがみやすくなった−−−診療事務
 業務改善はできていない−−−−−−−−−−−−−−−−1病棟
 あまり変化ないようです−−−−−−−−−−−−−−−−臨床工学

2.仕事が楽になった
 薬の処方を書く手間が省けることに関して−−−−−−−−医局で10名が
 検査結果の参照について−−−−−−−−−−−−−−−−医局・2病棟
 サマリ−書きの負担軽減−−−−−−−−−−−−−−−−医局
 ベット日報の回収不要になり催促しなくてすむ−−−−−−婦長室
 定期の血液検査予約の伝票がすぐに出せる−−−−−−−−透析室
 処方箋の字が読みやすくなった−−−−−−−−−−−−−薬局
 処方についての報酬算定での誤りの減少−−−−−−−−−医事
 診察予約が手書台帳からコンピュ−タ−化できた−−−−−診療事務
 診療支援カ−ドがリアルタイムになり活用しやすくなった−−−診療事務
 結果の問い合わせがほとんど無くなった−−−−−−−−−検査部
 患者情報が簡単に得られる−−−−−−−−−−−−−−−検査部
 手術予定表がみれる−−−−−−−−−−−−−−−−−−検査部
 仕事量は増えた−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−1病棟
 現時点では全体の業務が楽になったという感じはない−−−7病棟
 特に変化なし−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−放射線科

3.ムダを省き効率的になった
 検査伝票をさがさなくてもすむ−−−−−−−−−−−−−医局
 時間的にも短縮できた−−−−−−−−−−−−−−−−−医局
 定期処方が書かれているかどうか確認し、ファイルを薬局に毎週おろしていた業務が省かれた−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−2病棟
 外来予約で入院カルテを外来へおろさなくてもよくなった−−−7病棟
 他の部署にいる医師でも患者IDで処方ができる−−−−−透析室
 患者情報等カルテなくてもコンピユ−タ−で確認できる−−薬局
 新入院患者さんなどの動向を調べやすくなった−−−−−−薬局
 服薬歴が簡単にチェックできる−−−−−−−−−−−−−薬局
 一般と健診に分けていた検査業務を1本化できた−−−−−検査部
 尿検査の結果入力の省力化−−−−−−−−−−−−−−−検査部
 予約業務の省力化−−−−−−−−−−−−−−−−−−−検査部
 いいえ−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−1病棟

4.さらに改善するためにはどうしたらよいでしょうか
 コンピュ−タ−処理能力アップで処理を早く−−−−−−−−−−−−−−医局・7病棟・臨床工学・栄養科・医事・検査部
 画像診断の結果がみえるように−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−医局
 検査予約システムのオ−ダ−リングシステムとの連動−−−−−−−−−−医局
 外来のプリンタ−で紙の交換作業なしで検査結果がプリントできるように−医局
 コンピュ−タ−作業をする人をつけてほしい−−−−−−−−−−−−−−医局
 時短してほしい−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−1病棟
 検査と注射のオ−ダリングを早く−−−−−−−−−−−−−−−−−−−2病棟
 予約では、枠いっぱいだと電話でのやりとりになり不便だ−−−−−−−−7病棟
 検査予約で伝票処理の二度手間の不便をなくす−−−−−−−−−−−−−7病棟
 Do処方箋と手書き処方箋をなくし全てコンピュ−タ−化する−−−−−−薬局
 入院定期処方箋発行後の修正や追加など、医師から連絡なくてもわかるようなシステムにする−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−薬局
 患者基本情報を入力する−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−薬局
 処方のある患者さんの処方箋と薬剤の説明書が続いてでるように−−−−−薬局
 薬剤の禁忌・アレルギ−・副作用歴が簡単にわかるように−−−−−−−−薬局
 オ−ダリング−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−放射線科
 医事入力との直結−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−放射線科
 分かりやすい画面構成−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−栄養科
 医師オ−ダ−で保険の選択の入力などに注意のコメント表示を−−−−−−医事
 CSS社の積極的な提案とサポ−トの強化−−−−−−−−−−−−−−−検査部

5.コンピュ−タ−化で不都合になった点
 処方シ−ルのムダ−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−医局
 プリンタ−不調で仕事が滞る−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−医局
 コンピュ−タ−停止の場合、より遅くなる−−−−−−−−−−−−−−−医局
 印刷がうまくでない・何枚も同じものがでる−−−−−−−−−−−−−−1病棟
 トラブル発生時に時間がかかって手間取る−−−−−−−−−−−−−−−7病棟
 処方まちがい等の問い合わせがよくあるが確認しにくく入力の訂正をその都度医師に連絡しなければいけない−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−透析室
 処方変更時の引換券−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−薬局
 修正をコンピユ−タ−上でおこなわねばならず変更問い合わせ複雑になった−−−薬局
 故障時の対応−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−薬局
 翌日以降の変更修正に手間がかかる−−−−−−−−−−−−−−−−−−薬局
 予約のトラブルが多い−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−放射線科
 時間的にエンドレスで稼働するため厳しい業務管理迫られる−−−−−−−医事
 使用後の紙がムダに思える−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−婦長室
 公害検査のシステム化で肺機能検査で多少煩雑な業務が増えた−−−−−−検査部
 
6.コンピュ−タ−化をやめたほうが良いと考えられる業務
 電子カルテはコストがとれないのでまだ趣味の世界−−−−−−−−−−−医局
 病棟分の現行の検査結果報告書伝票発行業務−−−−−−−−−−−−−−検査部

7.さらにコンピュ−タ−化した方が良いと思われる業務
 病院の医事受付や各科受付で、医師の外来受付画面に患者が表示する−−−医局
 出勤簿−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−医局
 乳幼児健診の患者フォロ−一覧チェック−−−−−−−−−−−−−−−−医局
 電子カルテ化へ−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−医局
 フィルムレス化−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−医局
 伝票を切っている業務全て−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−医局
 勤務表作成−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−婦長室
 病棟管理日誌−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−婦長室
 注射指示と食事伝票−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−1病棟
 日報から出勤簿への整理連動−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−2病棟
 MRSA患者のデ−タ−ベ−ス化(発生・解除の管理)−−−−−−−−−7病棟
 中材への物品の発注−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−7病棟
 在庫管理・発注業務(血液・試用薬品の発注)−−−−−−−−−−−−−薬局
 支出管理−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−放射線科
 検査実施の確認−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−透析室
 薬品集副作用情報のとりこみ−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−薬局
 透析患者管理システムの活用−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−臨床工学
 医療機器管理ソフトの活用−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−臨床工学
 外来透析の食事管理 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−栄養科
 栄養指導管理−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−栄養科
 職員の食事管理−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−栄養科
 いっぱいあり、これからさぐっていきたい−−−−−−−−−−−−−−−医事
 現在持っている当院の検査インフォメ−ション情報を全体のクライアントで参照できるようにする、また各部署用の情報公開用のデ−タ−ベ−スシステムの開発と運用−−−検査部
 全体として合理化につながる検討委員会の設置と予算化−−−−−−−−−検査部
 統計・検定・研究用に使えるデ−タ−の活用システムづくり−−−−−−−検査部
 会議録の文書のデ−タ−ベ−ス化−−−−−−−−−−−−−−−−−−−検査部
 トラブルシュ−ティングマニュアル化−−−−−−−−−−−−−−−−−検査部
 
8.現在の問題点と要望として医局より追加注文
 処理能力が遅い・個人用のコンピュ−タ−がほとんど使われていない(ムダな投資)・トラブルがよくおこる・外来中でも3〜5回再立ち上げしている・コンピュ−タ−の担当者が少ない・医師に業務が集中し、しんどい。
 
集約結果からの総括(案)
 
1.これまでに稼働しているシステム及び開発中のシステム、2.投資額などについては水島協同病院ホ−ムペ−ジ参照。(参照リンクする。)
 
3.評価の基準
  当初からの本システム構築の目的は、次の3側面に集約されている。
  患者サ−ビスの向上
  医療・経営活動の充実
  ムダを省き効率化をすすめる
  これらは、情報の共有によって相互に関連しあって全体として目的を達成し、投資効果を実現する内容であるが、とりあえず各側面から評価をおこなうこととする。
   @患者サ−ビスについては、「待ち時間の短縮」を外来関係の部署が同様に上げており、成果と評価できるであろう。
  ただし詳しい待ち時間実体調査をおこない、本システム構築前と比較してどのくらい短縮になったのか調査は必要と考えられます。
  診察や検査の予約、検査結果の説明等で、患者さんとの応対がスム−スかつ親切におこなえるようになっています。
  薬剤情報の提供で、患者さんに薬の説明がしやすくなったことについては、業務をおこなっている薬局からは成果としてあげられていませんが、医局からはあげられている。
  そのほか記入ミスや検査モレや未入力などの問題での改善をあげている部署もある。
  しかし、1病棟や臨床工学からは業務改善とむすびついていない報告もありました。
   A医療・経営活動の充実という側面でみるならば、患者サ−ビスの充実と、仕事のムダを省き効 率化すると同時に仕事が楽になることで実現できてゆく課題ですが
  診療支援カ−ドのリアルタイム化
  検査予約手術室予約のシステム化
  検査と健診システムの統一で全デ−タ−が診療に活用できる
  検査デ−タ−が必要なときにいつでも参照できる
  医師の服薬処方が部署に関係なくできること
  あるいは、健診の働きかけなどの名簿デ−タ−の抽出と宛名シ−ルの作成(健診コ−ナ−)
  などをあげることができます。
   Bムダを省き効率化を進めるという側面と仕事が楽になるという側面は密接な関係にあります
  特に医師からは、処方を書く手間が省けることに関して10名が指摘しており、一部には医師に業務が集中してしんどいとかコンピュ−タ−作業をする人をつけてほしいという意見もありますが、時間的には短縮できたということになると評価できます。
  処方箋については、定期処方の確認と薬局への運搬作業が省かれた、処方箋の字がよみやすくなったなどの意見も2病棟と薬局から上げられました。
  なお医事からはあげられませんでしたが、処方オ−ダリングにより患者さんの待ち時間短縮となっていることには医事会計入力の効率化もあると考えられます。
  検査伝票をさがさなくても対処できることについては、医局や2病棟から上げられましたが、これに関して検査部からも結果の問い合わせがほとんどなくなったと指摘がありますので、成果が上がっていると評価できます。
  新入院患者さんの動向を調べやすくなったとか、電話での対応がへって煩雑さがなくなった、あるいはベット日報の回収が不要になったなど、入院患者情報で業務が楽になった様子が現れています。
  その他も様々にあげられていますが、仕事量は増えたとか現時点では全体の業務が楽になったという感じはしないという1病棟や7病棟の評価もありました。
  伝票レスについては、処方オ−ダ−がおこなわれているのみなので、外来処方箋など薬剤処方に関しての伝票が一部を残すものの必要なくなっています。
 しかし、検査・注射などの病棟と外来のオ−ダリングシステムは今後稼働なので、その稼働にあわせて伝票レスをすすめることとなります。
  あわせて検査部からは、現行の検査結果報告書発行業務はやめた方がよいと思われると指摘がありました。
 C不都合な点についての指摘も整理します   医局からは、処方シ−ルのムダを、また婦長室より使用後の紙のムダについて指摘があります。
  プリンタ−関係の不調について医局や1病棟から指摘があります。
  そのほかトラブルについては、機器のトラブルと処方内容でのトラブル、予約でのトラブルの指摘がありますが、処方や予約のトラブルについては、ケ−スごとに教訓を明らかにして、運用上でのトラブルとして減らしてゆくことが必要です。
   Dさらに現システムの改善や新たなシステム化の提案要求も多数提出されました。
  これらについては、コンピュ−タ−構築会議などで検討して、前進させていく課題と考えられます。
 
4.まとめ
 現在までのシステム構築の到達点では、患者サ−ビス向上や医師の処方での手間をへらすことなどでは一定の成果となりつつあり、また情報の共有による業務の改善も多面的にあらわれています。
 しかし、注射・検査・栄養のオ−ダリングシステムの全面稼働ぬきには、指示伝票の廃止の方向はみえてきません。
 また、オ−ダ−取り込みができることで医事業務の負担軽減もはかることができます。
 伝票を廃止することは、これまで伝票で指示を受け取っていた部署もコンピユ−タ−で指示を受け取り、業務実施を確認入力することとなり、いっそう全職員がコンピユ−タ−業務になれる必要があります。
 また、様々な結果もコンピユ−タ−上でデ−タ−を確認するということで、ペ−パ−レスをすすめないと、伝票のかわりにプリントした紙のムダが発生しかねません。
 今後の注射・検査・栄養オ−ダリングの全面稼働を成功させ、それを契機に各部署の業務のすすめかたも自ら変革させ、実り多いコンピユ−タ−システムを構築してゆきましょう。
 具体的には今週、注射オ−ダリングの試験稼働を1病棟で実施しています。
また11月早々には栄養オ−ダリングの試験稼働が予定されています。
さらに検査オ−ダリングについても稼働の準備作業が進められています。
看護支援システムと処置オ−ダ−の整理も推進中です。
検査・注射・栄養の病棟オ−ダリング正式稼働も目前となりました。
これらの課題成功のために、各部署がしっかり意思統一し、積極的に業務遂行形態をコンピュ−タ−システムに対処して変革してゆきましょう。
                                 以上
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