| 宮島人の宗教・風俗・習慣 | |
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| 我が家では、古(いにしえ)より宮島で伝承されてきた、しきたりや慣わしが今でも生きづいています。しきたりと言うと、何か片苦しい事だと思われそうですが、家庭生活の決まりごとが、日常生活の中に溶け込んでいる暗黙の了解事項と思えば良いことです。古い習慣だから合理性に欠けると思われがちですが、その中身を検討すると、生活の知恵にあふれています。これから紹介することには、我が家だけの例外的な事項が含まれているかも知れません。核家族化で伝承がむずかしくなっていますので、後世に伝える必要性からあえて書き残すことにしました。宮島人の常識から、家族とは何か、どうすれば理想的な家族が築けるのかを考えて下さると嬉しいです。しきたりには、家族を維持するためのノウハウが凝縮されています。日常生活の中で体得していることも、文章で伝えるのは大変難しいです。「百聞は一見にしかず」ですが、限界があることを知りながら、真意が伝わる様にと願っています。 | |
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| 目次 | |
| * お正月行事 | |
| * 節分 | |
| * 五重相伝 | |
| * お墓参り | |
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| ・・・お正月行事・・・ | |
| お正月の準備・・・神事に関する事は男性が、仏事に関することは女性がします。毎年12月28日に行うお餅つきは、準備から後片付けまで、全て男性がします。もち米は前日夕方に洗米して一晩水に浸しておきます。翌朝ガス台の左右に盛り塩をして、釜と蒸篭(セイロ)を乗せます。蓋には、ウラジロを2枚とユズリ葉を4枚のせます。二礼二拍手一礼をして、もち米の蒸しあげです。浸しておいたもち米を籠に打ち上げ、蒸篭に軽く盛り込み、中心が少しへこむよう整えます。 | |
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もち米が蒸しあがると威勢のいい声で「あがったぞぉ」と家族全員に知らせます。石臼は良く洗って、熱湯を入れ温めておきます。杵も同じようにします。石臼から熱湯を捨て、蒸篭のもち米を移します。臼に入ったもち米を一つまみ「おしき」に入れて神棚にお供えします。お餅つきの無事な終了を祈ります。小さな杵でもち米を押しつぶしながら、米搗き歌を歌います「めでた、めでエたアのオ、この餅イつきイーは、えー、この餅イつきイーは。末はア、鶴亀御用の松、エンショ、エンショ、エンショ、エンショとね」ヨシャイヨシャイと威勢良く、掛け声をかけてお餅をこねます。もち米が潰れて塊になってきたらいよいよ突きはじめます。大きな杵で「エイ、こもじゃ」の掛け声を掛けながら杵を打ち下ろします。こね手が、四隅のお餅ちを中心に集め、お餅を突きます。 |
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| 今はもち機のお世話になっています。 | |
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つき上がったお餅は、餅とり粉を挽きつめたタライ桶に入れます。ここからは女性の仕事です。お餅を長く伸ばして、親指と人差し指に挟んで餅をきります。切口を下にしてすばやく押さえつけ丸餅にします。丸餅の出来具合を批評しながら餅切りは進みます。餅きりが上手に出来ると、一人前です。 |
| 一臼二臼のお餅は小餅にします。三臼四臼が鏡餅です。お墓用のお餅やねずみ餅(お飾りのそばに置くお餅)も作ります。五臼目からがアン餅、豆餅、粟餅をつきます。最後に小餅をついて終了です。アン餅がつき上がると仏さんにお供えします。小餅はよく冷やして、瓶に綺麗に並べて保管します。近所や親族にお裾分けをします。今年も無事にお餅つきが出来た事への感謝と喜びを分かち合うためです。 | ![]() |
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お餅つきの昼食の献立は、お神酒、うるめいわし、梅干、紅白ナマス、餡餅、豆腐とほうれん草入りの澄まし汁、白菜の漬物です。干しいわしと梅干の梅は、海の幸山の幸を代表する食べ物です。昔から天変地異に対処する保存食として大切にされてきました。我が家でも庭でとれる梅で毎年作ります。 |
| 休む間もなく墓まいりです。しきび、松の新芽をもって対岸の「延命寺」に向かいます。山門で一礼することを忘れてはなりません。清掃し、新しいしきびと松をたて、お餅を供えます。 | |
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| 29日は、神棚の掃除です。掃除には必ず新しいタオルとバケツを使います。太陽と月の神の御札を新しくし、新しいしめ縄に御幣を4枚かざります。「宝珠の玉」を取替え、新芽の榊と松を活け、鏡餅をお供えします。ふるいしめ縄や「宝珠の玉」は全て「とんど」で燃やします。「水神さん」(水神)や「おくどさん」(火神)の「宝珠の玉」も取り替えます。自然信仰と神仏習合が当家の習しです。 | |
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30日には門幕やしめ飾りを玄関や勝手口にかざります。門幕は40年ぶりの復活です。 |
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| 31日大晦日には、午後から大松明の町内お練りがあります。松明は「ヨイヨイ」とかけ声をかけながら担ぎます。各家の玄関に立てて、「おめでとうございます」の挨拶に訪れます。祝儀をはずむと、「ありがとうございました」と元気な声が帰ります。午後6時、厳島神社のある「御笠浜」で鎮火祭の始まりです。松明に火をつけて神社の境内を走ります。 | |
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| 松明の火は家に持ち帰り、神棚にあげ、無病息災を祈ります。次に松明の火は、「おくどさん」にお供えし、厨房の全ての火を消して、この火で点火し、1年間の鎮火を祈願します。終わると家族でこの火を囲んで無病息災を祈ります。松明の火の燃え残りは、火災予防の御守りとします。 |
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| 喪中の家には、松明が立ちませんし、参加もしません。1年間は厳島神社の祭事や行事に参加しないのがしきたりです。お正月の挨拶も、「明けまして、おめでとうございます」とは決して言いません。「今年もよろしくおねがいします」が喪中の家の挨拶です。 | |
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| 宮島で迎える新年は大変情緒があります。大晦日の昼過ぎ、大松明の「ヨイヨイ」の掛け声で、町内の年越し気分は一気に盛り上がります。日も暮れた午後6時御笠浜で繰り広げられる鎮火祭は、ほんの約15分間の火祭りですが、一年を締めくくるのにふさわしい行事です。午後11時初詣の人並みが厳島神社に押し寄せます。12時の開門に合わせて人の列が宮島桟橋まで繋がります。厳島神社では毎年、干支の杓子を先着1万人に無料配布しています。12年に一度の杓子を求めて人並みが押し寄せます。初詣の列は厳島神社から大願時、大聖院へと続きます。午前5時頃になると、弥山登山道には、初日の出を拝もうと人の列ができます。正月三箇日で、約15万人の来島者があります。 | |
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| 元日の朝、神事に関する事は男性が、仏事に関することは女性がします。男性は、神前にお供えするお雑煮を作ります。おしきに置いたお餅の上に、海の幸山の幸を乗せます。お灯明をあげ、お雑煮をお供えし、家族全員で二礼二拍手一礼をします。女性は、お初を炊き、仏前にお供えします。この行事は正月三箇日行います。 | |
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献立 お餅 鶴亀大根の姿煮 梅にんじん、 菜の花、 牡蠣の生姜煮 |
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| お正月行事は「とんど」で終わります。「とんど」は、毎年1月14日に行われますが、開催時刻は毎年違います。潮の干潮満潮時間に合せるからです。 | |
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