筝(こと)をならう4
初めてお稽古にいく。実は心配なことがひとつ。
私のお稽古の前に一人、先輩が稽古にいらっしゃるのだが
そのお稽古を聞きたいのだが早くいってもいいものか
時間どおりでないといけないものか
それから先生のお宅についてからチャイムを鳴らしてよいものか
鳴らして勝手に入っていいものか……。
音楽関係は音を気になさるので黙って静かに入れとかいてある本もあり
かといって黙って入るのも気が引けて悶々と悩む。
結局5分前に到着してチャイムを鳴らし玄関には入るが
部屋には気後れして入れずそこで先輩のお稽古を聞いていた。
一息ついた頃を見計らってはいると「入ってもよかったのよ」といわれほっとする。
「稽古中はチャイムは聞こえないことが多いのでどんどん入ってきて、中でお稽古を聞いてちょうだい。
もし時間があれば早く来て聞いていてもいいのよ。」と先生はおっしゃる。
よかった。次からはそうしよう。これで疑問は解決だ。
座り方、姿勢、楽譜の読み方、筝の各部分の名称など一通り説明を聞いて
筝に触って音を出してみる。きょうは調弦は先に先輩がなさっていたので
先生がさっと手直ししてすぐに稽古になった。
筝は柱(じ)で音を調節するのだが、私には絶対音感はない。
音の高低の判断は学生時代ブラスバンド部に所属していたときにもコンプレックスとなっていた。
今後もこれで悩むだろうことは想像に難くない(T_T)。
筝の音色は……思いのほかすばらしい。もうなんと言い表してよいのかわからない。
先日の先輩の稽古のときにも思ったが、楽器のよしあしでこうも違うのかというほど
いい音がする。例え私が触ってもだ。ありがたい。
指の当て方(爪の当て方)、腕の動きなど一つ一つ丁寧に教わる。
個人で受ける稽古のありがたいところだ。
あっという間に時間は過ぎていった。
結局楽譜の3ページを教えていただき宿題となる。
ちょっと不安である。これだけのことがこなせるだろうか……。
でも頑張ろう。
そして先生から筝をお借りする。
貸してくださる筝を調弦してくださり、台と譜面台もお借りする。
先生が筝を運び車に乗せてくださる。
私の車はダイハツムーヴである。
筝を積むために担当の営業さんに相談してシートは既に倒しておいたので
スムーズに乗せることができた。先生からは「あら。広いのねえ。これなら十七弦も入るわねえ。」
といっていただく。私を褒めてもらったわけじゃないが嬉しい。
先生の言葉は何でも嬉しいのだ。(大分ほれ込んでいるのだ)
そして……とうとう我家に筝がやってきた。
掃除をしておいた客間に入れて早速稽古の続きである。
爪を当てて音を出してみる。
とても響きがよくびっくりする。
感動である。
そのまま一生懸命に稽古してはっとした。既に一時間が過ぎていた。
糸を押す指は痛くなっていた。赤くなって腫れている気配……。
たった数回抑えただけなのにこの始末だ。
しかし楽しい。毎日1時間でも稽古できるように時間を作ろう、と心に決める。