■ Last good-bye ■


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今、私の目の前に座っている、一人の少女 ―――

俯いて、瞳をを伏せる。


いつもは、その愛らしい声を紡ぐ唇が、今はただ、別れの言葉だけを探す。



どこで、何を、間違えてしまったのだろうか。

お互いの気持ちは、確かに通じ合っていたはずなのに ―――



彼女はもう、微笑わない。

今あるのは、あの光が溢れるような微笑みではなく、暗く、重い苦痛に苛まれた表情。


そして彼女をそのように追い詰めてしまったのは、他でもない、私自身で。



彼女が苦しんでいることに、泣いていることに、気付こうともしなかった。

気付いた時にはもう、手遅れだった。



けれど、それ程傷付けられたというのに、彼女は・・・は・・・

その別れの理由を、私の所為とは決して言わない。

自分が弱いからだと、無理にそう言い聞かせて、涙を堪える。

掠れた声で、 「 ごめんなさい 」 と呟く。



まだ、こんなにも愛しいというのに、こんなにも近くに居るというのに、

彼女の心はもう、離れていってしまう。

手を延ばしても、届くことはない。





まだ、幸せだった頃のことを思い出す。


暮れてゆく空に照らされた、穏やかな横顔。


  ―― 貴方のことが、大好きよ ――


そう言って、はしゃいでいた笑顔。



私の中の彼女は、いつも、幸せそうに微笑っている。



けれど、

お前の中の私は、どんな顔をしているのだろうな。



もう、全てが思い出になってしまう。



  ―― もう一度、あの頃に戻ってみないか ――


もし、私が今、そう言ったなら、彼女は何と答えるだろう。

また、この腕の中に戻って来るだろうか。


けれど、それが言えない私だから、を傷付けた。

何一つ、彼女の欲しい言葉を与えてやれなかった、私だから。


今、私に出来ることは、彼女のこの先の幸せを祈ることだけ。



けれど決して、消えることはないだろう。


彼女を、誰よりも、愛したこと。


彼女に、誰よりも、愛されたこと。



どうかその頬を濡らす涙は、これが最後であるように ―――







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