謳ってしまいたい。
この喉が、張り裂けるほどに。

平凡な毎日、
平凡な生活、
流される中私は、見るだけの恋を手に入れた。

思い人は、鳥かごの中。
けして自由に飛べない羽根。
それでもいい
見てるだけでも
そう思って、眺めていたのに、

かごの中から、伸ばされた腕。
逃げだそうとは、思わなかった。

だけど、
やっぱり。

鳥かごにいると言うことは、
愛でる誰かが居るわけで、
そこにいると言うことは、
愛でられることを望んでるわけで。

それが鳥の、幸せならば。

謳ってしまいたい。
だけど喉に、ため込んで。

そして今日も、鳥かごを見てる。
けして想いは、謳わぬままに。