こうして、俺は摩耗した 〜性技の味方に至るまで・発展編〜




深夜の冬木市を奇妙な一群が行進していた。教会へと向かう坂を下っている四人組。

先頭は小柄な少女。金の髪と白磁の肌、湖水のように深い碧の瞳が示すように異国の出身だった。
だが不可思議なのはその姿。雲こそ出てはいるものの雨が降る気配は無いというのに、その身をきっちりと黄色いレインコートに包んでいる。その襟を立ててぴったりと閉じられたレインコートから覗く生足が奇妙にアンバランスさを醸し出している。冬だというのに、なぜか彼女の額にはびっしりと玉のような汗が浮かび上がっており、頬や、編み上げた髪から覗くうなじが火照ったようにピンクに染まっている。時折足取りが乱れ、そのたびに熱い吐息を吐き出していた。

そんな彼女を観察するようにその後ろを歩いている赤い外套に身を包んだ妙齢の女性。風になびく銀の髪と褐色の肌をした国籍不肖な彼女は、表情こそは冷徹なものの足取りは軽く肌はつややか、片手でリズムを取るかのように機嫌よく歩いていた。その手にはピンク色をした謎の小箱が二つ。なぜか回転式のスイッチのようなものがついているそれを、彼女は上に回したり下に回したりと弄んでいる。そのたびに彼女の前を歩く少女や彼女の後ろを歩く少女から、「ヒャ!」とか、「ッン!」とか押し殺した叫びがあがっていた。

三番手を歩いているのは前の二人と比べて普通の格好をした黒髪の美しい少女。格好こそは完璧に整っているが、股間になにかがはさまっているかのように、歩きにくそうに歩を進めている。なぜか時折、前を歩く女性の手が持っている箱を弄るたびに、その形の良いお尻を押さえ、勝気な瞳を涙で潤ませながら押し殺した呻きをあげていた。

最後尾を歩いているのは唯一の男性だった。赤い髪の小柄な少年はしかし、歩いているのも不思議なほどに磨耗していた。肌は土気色に乾き、眼は落ち窪み、昨日までは無かったはずの若白髪までできてしまっている体たらく。腰に力が入らないせいかまっすぐ歩けずに、右に左にふらふらとしながら、少女たちの後についていっている。

先頭から、セイバー、アーチャー、遠坂凛、衛宮士郎というラインナップである。

「そ、それじゃえみやくんここでわかれましょ、せいはいせんそうちゅーだしなれあうのはよくないとおもうの」
坂を下りきったところで棒読みの台詞を口に出す遠坂凛。そんな遠坂の背後にいつのまにやら回っているアーチャーが、がしり、と遠坂の肩を掴む。「ヒ!」と息を呑む遠坂。
「凛。落ち着きたまえ。まだまだ夜はこれからだ。そう焦って獲物を探す必要も無いだろう? 君は優秀な魔術師だし、連れているサーヴァントも最優たるセイバーだ。君の、君たちの勝利は動くまい。……と、言う訳で衛宮邸に戻って二回戦と行こうではないか」
「ぃ、ぃゃぁ……」
「やれやれ。……凛。写真」
「ッ!」
「ビデオ」
「な、なんで……」
「君が私のことをお姉さまと呼び、私のマスターの×××を○○○するところも、君が■■■■して泣き叫ぶところも、君とセイバーを二人重ねて○△に□□されるところも、貴重な青春の一ページとして保存済だ。ああ、でもまだ現像もコピーもしていないな。今夜あたり暇だったら作業するとしようか。どう思うかね、凛?」
怒りに顔を真紅に染め上げる遠坂。そんな遠坂の耳に顔を近づけ、
「後ろのアレ、外して欲しいのだろう? セイバーのアレも、な」
「ッ〜〜〜〜〜〜、この外道。分かったわよ、地獄に落ちなさい、アーチャー」




「お話は終わったの?」
夜を闇を渡る、鈴の音のような声。
「こんばんは、お兄ちゃ、ん? ぇええっ? どうしてそんなに死にそうなの? 私まだなにもしてない……」
銀の髪の小さな少女が、圧倒的な暴力たる巨人を連れて彼女たちと対峙する。しかしその視線は、出涸らしと化している衛宮士郎に向けられていた。
「ッ! リン!」
ぼんやりとしていたセイバーが、すばやく臨戦態勢を取ろうとして、
「ヒャン!」
唐突に腰砕けになった。
「セイバー。あまり慌てると見えてしまうぞ」
のんびりと手にした小箱を弄びながらアーチャーが言う。
「リン? ……そう、貴女が遠坂の今代ね。答えなさい、お兄ちゃんに何をしたの?」
「な、なにもしてないわよ、わたし。……こいつ、こいつ。こいつの仕業」
少女に向かって手を振り、アーチャーを指し示す凛。
「始めまして、だな。私はアーチャー。衛宮士郎のサーヴァントだ。名前を教えてもらえるかな、可愛いお嬢さん?」
優雅に一礼するアーチャー。
「あら、礼儀の出来たサーヴァントね。良いわ、名乗ってあげる。私はイリヤスフィール・フォン・アインツベルン。そしてこれが私のバーサーカー」
「バーサーカー!」
遠坂が驚愕の叫びをあげた。
「……ところで、その黄色いサーヴァントはなんでそんな格好で、息を切らしてるの?」
「ふむ……知りたいかね、イリヤスフィール」
アーチャーがゆっくりとセイバーの背後に回り、手をセイバーの腰に回す。小さく声を上げ身じろぎするセイバーの髪に後ろから顔を埋める。片手をセイバーの顎に走らせ、その顔を自分の方へ向けると、紅潮したその頬をぺろり、と舐めあげた。
「小さい子には刺激が強いかもしれん。ちょっとだけだぞ」
そう言うとアーチャーはセイバーの顎を掴んでいた手を走らせて、レインコートの襟を軽く開く。そこからちらりと見えたのは、汗でてらりと光る白磁の肌と、その肌に走る、セイバーの汗を吸った……荒縄。
「え? え! ええっ!?」
あまりのことに声を失うイリヤスフィール。
「ククク、士郎に何をしたのか、と聞いたな、イリヤスフィール。……ナニをしたのだよ、ナニ。アレと言い換えても良い」
その意味に思い当たり、頬を真紅に染めるイリヤスフィール。
「さて、イリヤスフィール。君は乙女かね?」
「な、何を」
「うむ。デザートにロリっ子をゆっくりたっぷりねっとり開発するのも良いかと思ったのでな。遠坂もセイバーもなかなかに美味しく頂かせて貰ったが、君の味はどうだろう」
「っく! バーサーカー!」
「■■■■■−−−−−!」
「私を連れて逃げなさい!」
「何ッ! イリヤスフィール、君はそれでもバーサーカーのマスターかっ!」
「いぃやぁぁぁぁぁ〜〜〜〜〜〜〜犯される〜〜〜〜〜〜〜!」







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