「花-1」
ほおずき
| 花につきものの「ガク」。 「ガク」は花の付属品みたいなものだが、いろいろ役目があって忙しい。 蕾の時は、花冠をすっぽりと包んで花の保護。やがてガクを押しのけるように 蕾がふくれ花が開くと、美しい花の下で、縁の下の力持ちのように、その 花を支える役目をする。そして花が終わると、今度は実の保護を努める。 中でもほおずきのガクは、面白い変化をとげる。ほおずきのガクは、花が 終わると急に成長し始め、大きく伸びて実をすぽりと包みこむ。 さながら赤いちょうちんか赤いマントの赤ずきんちゃん。あのオレンジ色の 皮の正体は「ガク」なのだ。 夏の風物詩、ほおずき。ガラスの器に盛って、夏の演出。 (2000.8.15) |
アルヴァー・アアルト
世界で一番有名な花瓶
| 20世紀を代表する建築家、アルヴァー・アアルト。 1898年フィンランド生まれの世界を代表するモダニズム建築の巨匠。 モダニズムながら、彼が残した作品には木やレンガ、石などの自然素材が ふんだんに使われている。建築も素晴らしいのだが、椅子やガラス製品 などの名品もたくさんあり、どれも自然と共存する暖かな空気が流れている。 そのアアルトの作品で、「世界で一番有名な花瓶」といわれているのが、 曲がりくねった花瓶「サヴォイ・ベース」だ。 くねくねとした形は、丘の上から見下ろした湖の形にヒントを得たそう。 この花瓶は、ヘルシンキのレストラン「サヴォイ」をデザインした時に作られた。 そのため、そのままレストランの店名がついている。 有機的な形のこの花瓶は、そのままでもオブジェになる。また、花を活ける時に は、凹凸が丁度、茎のひっかかりの役目を果たしてくれる。 私は、花器として楽しむ以外にペンを立てたり、メモをさしたり・・・と様々に 活用している。 (2000.6.20) |
韓国の花店


| 韓国に行く機会に恵まれた。 日本の花店と比較して、なんと色のあでやかなこと! 鮮やかな赤・黄・オレンジ・ピンク・紫・・・と原色の花が、これまた原色の バケツにざっぷりと入れられ店頭に並ぶ。花の種類は、カーネーション、 バラ、菊、ストックと、日本で昔からお馴染みの花ばかり。 このあでやかな色合いを見ていると、韓国の民族衣装「チマチョゴリ」を 思い出した。鮮やかな色をふんだんに使ったチマチョゴリ。そう言えば、 訪れたどの王宮も、あでやかな5色の原色で塗り込められていた。 日本とは違う色感覚である国民性を垣間見た気がした。そういう国民性 や歴史に培われた色を体に持ち、また受け継いで行くということは、 素晴らしいことだと思うのだ。 (2000.5.23) |
アイビー

| 新緑の季節。 我が家のベランダのアイビーも、むくむくとすごい勢い。次々とつやつやの 新しい芽を伸ばす。 最初は300円ぐらいの小さな鉢、たったの3個からスタートしたのだが、8年 経った現在は写真の通り。切っても、友人宅に分けても、伸びるは伸びる、 増えるは増える・・・。(カメラに入りきらない) アレンジの残りの小さなアイビーも、プランターの土にそのまま挿すだけで根 付き、更に仲間は増殖の一途。ご覧のような、大所帯になったアイビー達。 家族に「滝のよう」とか「ジャングル」とか言われつつも、アイビーライフを 楽しんでいる。1年中グリーンでいてくれるのは本当に嬉しい。 時には鉢を家に持ち込んで、インテリアとして楽しむ。 アイビーの花言葉は「友情」「信頼」「結婚」。 これは、アイビーがものにしっかりつかまり、しがみつくように生長するから。 (2000.5.12) |
メタセコイア

| 私の好きな樹、メタセコイア。 まるで両手を上げて、天高く天高く昇ろうとしているかのような樹。 アケボノスギともいわれるこの樹の葉は、羽根のような複葉で、ふわふわと柔らかい 感じ。天使の羽根のようにも見えるので、私は密かに「天使の樹」と呼んでる。 今この「天使の樹」は、1年の中で最も美しい季節。若草色の若葉が樹を覆い、春の 喜びを謳歌しているよう。このような緑を見ると、心がやすらぎ、癒さる。爽やか・若さ・ 安心・生命力・・・。さまざまな力をもらう。 メタセコイア属は、日本でも数種が化石として発見され、「生きた化石」といわれている。 彼らは、一体、幾度の春をこの地球上で経験してきたのでだろうか。 このメタセコイアは、日本各地の街路樹や公園に植えられている。 秋になって足元に落とす、実も愛らしい。 元キリンビール広島工場の前庭にて。 (2000.5.9) |
色に癒される

| 友人が「ベランダに咲いたから」と、両手で包むようにして、パンジーを届け てくれた。色とりどりのパンジー。あまりにきれいなので、記念撮影。 淡い優しい色達が、このところのピリピリしていた気持ちをほぐしてくれる。 最近「カラーセラピー」という言葉をよく耳にする。確かに、色で癒されることが よくある。 先日、精神的なダメージと極度の緊張を抱えた仕事帰り、いつもの花屋へ。 「これ下さい!」 と発作的に選んだのは、ピンクのカーネーションだった。 いつもは白とブルーの花ばかりを選ぶのに・・・。 お店の人も、普段と違う私の選択に 「エッ?」 と驚いた表情。その日その時 は、不思議と ピンクの花が欲しくて欲しくて抑えられなかった。 後で考えてみると、ピンクは「至福の時に欲する色」でもあり、また「心理的 な緊張を解いてリラックスさせる効果がある色である」と言われている。 勿論、この時の私の場合は後者。 ちなみに、妊婦さんはピンクの服を着たくなるんだそう。これは前者の「至福 の時」の例。 私たちは、のどが渇いたら水が飲みたくなり、スポーツの後はスポーツドリ ンクが飲みたくなる。疲れた時は甘い物が欲しくなる。 これは体が自然に 求めてしまうこと。 そして、色も同じだと思う。心が自然に、その時欲しい色を求めるもの。 色の知識の有無は関係ない。 例えば、今日の服に選んだ色。それが、あなたの心が今欲している色。 心を癒し、満たしてくれる色なのだ。 (2000.4.18) |
オオイヌノフグリ

| このところの暖かさのお陰で、道端のオオイヌノフグリが咲き誇っている。 さながら瑠璃色の絨毯。なんて可憐なのだろうか! 春の訪れを感じる。 オオイニヌノフグリは、西洋では「聖女ヴェロニカの草」と呼ばれている。 キリストが十字架にかけられるため、ゴルゴタの丘に連行される途中、多くの 人々が沿道に集まり、その姿を見送った。その時、キリストにハンカチを差し 出した娘の名がヴェロニカ。キリストはそのハンカチーフで汗をぬぐい、彼女 に返した。すると、そのハンカチーフにキリストの姿が映しだされたという。 この草は、元来日本にはなかった草で、明治始めに渡ってきた。その頃には 「天人唐草」と言われていたそう。その名のままでいてくれても良かったの だが・・・。 オオイヌノフグリを根っこごと掘って、欠けた茶椀にでも植えて楽しもうと思う。 家の中にも瑠璃色の空気が広がるように。 (2000.3.21) |
仏手柑

| まるで手の形のような蜜柑、仏手柑を花屋で購入。 仏の手の柑と書き、「ブシュカン」と読む。仏の手を連想させるから。 仏手柑は結実するときに果肉の下部が分裂して生長し、まるで手の 指のような形になる。伊予柑に似た良い香りがするが、食べる部分は ほとんどないので観賞用。 名前からしてもおめでたい名なので、お正月によく飾られる。 17世紀ヨーロッパでは中国や日本の白磁に人気が集まり、コレクション の対象となると同時に、自国での製造開発に情熱が注がれた。 18世紀に入り、自国での白磁の製造が成功すると、中国の景徳鎮や 有田焼の図柄が盛んにコピーされた。 磁器で名高いマイセンの模様、「オニオン」。一説によると、有田焼に 描かれていたこの仏手柑をマイセンの職人が真似して描いたものが、 どう間違えたのかタマネギになってしまったそう。 無理もない話。見たこともない果実を描くのだから。 このようなエピソードを知るにつれ、日本のモノに興味が沸いてくる。 (2000.1.14) |
アドベント

| 街のあちこちで、クリスマスグッズが売られる季節になった。 そろそろクリスマスの準備。なんたって、この時期が1年で最も インテリアのデコレーションに力が入る。 今年は、どのような飾りつけにしようか。子どものようにワクワクする。 11月30日に最も近い日曜日からクリスマスイブまでの約4週間を 待降節(降臨節)という。カタカナで言うと「アドベント」。 アドベントとはラテン語で「到来」を意味するアドベントスに由来し、 キリストの誕生つまり、クリスマスに備える期間のこと 。 花材:バラ、オランダ柳、ゲーリック、 ニトーバイン、アイビー、 ヒペリカム、カシュリナなど (姫りんごは金のワイヤーで吊るしてある) (1999.11.26) |
姫りんご

| 花だけでなく、果物を積極的にインテリアに飾る。 直径5cmほどの姫りんごのなんと愛らしいこと! この姫りんごは、フラワーデザインの世界でも大人気。クリスマスのアレンジに も欠かせない存在だ。 パイレックスのガラス瓶に姫りんご「アルプス乙女」をコロコロと入れた。瓶に 詰まった乙女たちの楽しそうな話し声が聞こえて来そう。 りんごは漢字で書くと「林檎」。これは中国から来た名でキンリンと読む。 「檎」はリンゴの意で、一説には、この果実をついばむために鳥が林に集まって 来ることを表しているとか。 情景が目に浮かぶようで、なかなか素敵な話。 (1999.11.16) |
洋梨

| 好んで、果物をインテリアに飾る。 今の季節は、何と言っても洋梨。 私はこの洋梨のルックスといい、とろける味といい、大・大・大好物だ。この果物を 目の前にすると、いきなり経済観念が消失し、ついついショッピングかごに入れて しまう。10年前は高価な果物だったが、年々手頃になっていくのは嬉しい限り。 洋梨を皿に盛り、薄緑から黄色に変化する、熟すまでの経過を楽しむ。明るい 緑のこのオブジェは、食卓やキッチンを幸せな気分にしてくれる。 洋梨は固いうちに収穫して追熟させると美味になる。例えばラ・フランスは追熟に 1カ月ほどかかるそうだ。私としては、オブジェとして楽しむ期間が長いわけで、 願ってもない話だ。 梨には、日本ナシ、中国ナシ、西洋ナシの種類がある。日本と中国のナシは、 果肉が固く淡泊で食感が砂のようにザラザラしているので、砂ナシと呼ばれる。 西洋ナシは、アイスクリームのようにトロリとし濃厚で香りが高く、バター・フル ーツと言われる。 盛った皿は丹波立杭焼き(たんばたちくいやき)。 (1999.11.12) |
花ことば
| 「花ことば」なんて、誰かが勝手に気まぐれに作ったもので、大した意味はない。 花言葉を詳しく調べるまで、私はそう思い込んでいた。 しかし、これは私の大きな過ち。知らないということは、恐ろしいことだ。 「花ことば」の根底には伝説、民俗や風習、社会、自然環境などがある。これら が歴史の中で変遷してきたものが背景になっている。宗教的な意味合いも持ち、 その象徴性は1つの文化であると言っても過言ではない。 古代ギリシャやローマの時代から、花にはいろいろな意味を与えられて用いら れたという。花に託された象徴性を使って、中世の騎士たちが意志の伝達をした とも言われている。 例えば、白ユリの花ことばは「純潔」「清浄」「高貴」。これは、キリスト教で白ユ リが聖母マリアに捧げられるようになり、とりわけビザンチン時代からラファエル にいたる長い間、受胎告知の絵には、この花が描かれるようになった。それ 以降、白ユリの花ことばは、聖母マリアからの連想の「純潔」「清浄」「高貴」と なったのだ。 |

| この白ユリはイースターのシンボルともなっており、ユリはキリスト教で最も多く 用いられる花だそう。 ダイアナ妃の葬儀の時も、棺の上にたくさんの白ユリが飾られていたのが印象的 で、今でも記憶にはっきりと残っている。 1716年にトルコに派遣されていたイギリスの外交官夫人、メアリ・ウォトレ・モン タギュが「花ことば」をトルコの風習としてヨーロッパに紹介したのが、最も古い 花言葉の本だそう。 その後1818年、フランスのマダム・シャルロット・ド・ラ・ツールがパリで出版した 「花ことば」が大反響。その流行に伴い、画家達が美しい彩色の画を入れた豪華 本をつくるようになり、ビクトリア時代にはブームとなった。 日本へは、明治以降に伝わってそのまま普及しているということだ。 (1999.10.8) |
| 毎年、お彼岸の頃になると、忘れずに咲く花。彼岸花。 この艶やかな美しい花には「死人花(しにびとばな)」 「幽霊花」などという、 なんとも悲しい別名が付けられてる。これは昔中国で、葉と花を同時につけ ないものを嫌う風習があり、これが日本に伝わってきたから。 彼岸花の別名「マンジュシャゲ」は、梵語の「曼珠沙華」から来ており「赤い 花」という意味。日本人の感覚ではあまりにも赤い色が強烈で、美しさよりも 毒々しさを感じてしまい、余計に忌み嫌われたようだ。 確かに墓の脇にたくさん咲く赤い花は、血をイメージさせるのかもしれない。 手折って持ち帰ろうとすると、友人が「呪いの花だから、ダメ」だと、頑として 譲らず、阻止されたこともある。 しかし私の印象では、なんとも美しい艶やかな赤、といった印象なのだが。 私自身この花がとても好きで、子どもの時、球根ごと掘って持ち帰り庭の隅 に植えた。実家の庭では、それが今でも毎年美しい花を咲かせている。 彼岸の訪れを知らせてくれるように。 祖母も母も、この彼岸花を「美しい清らかな花」と言って飾っていたので、 風習や迷信に惑わされることなく、「美しい物は美しい」といって育ったこと に感謝する。 彼岸花で首飾りを作って遊んだことも、よい思い出だ。 わざわざ日本からりん茎(球根)を輸入し、栽培している国もあるそう。 ただ、有毒なのは確かで、リコリンなどのアルカロイドを含んでいるので、 その点にはご注意を。 (1999.9.24) |
マツムシソウ

| 9月に入り、朝夕急に涼しくなった。 広島の県北の山々ではマツムシソウやワレモコウが咲いていると、新聞の 花便りにあった。秋風にゆらゆらと揺れる花々を思い浮かべる。 私の好きな花、マツムシソウ。 スカビオサとも呼ばれるこの花の西洋の品種は、初夏ころから店頭に出回るが、 日本の野生のものはこれからが本番だ。 この花は英語で「mouring bride(悲しめる花嫁)」という。これは花の紫色のせい のようだ。儚そうなこの薄い紫は悲しみを含んでいるように見えるのだろう。 面白いもので花の世界では、紫は悲哀のシンボルになっていることが多い。 これは、ギリシャ神話のヒアキントス(ヒアシンス)の物語が元らしい。 アメリカの花屋では「悲しめる花嫁」では、イメージが悪いので、発音の似た 「morning bride(朝の花嫁)」と呼び改めているそうだ。 (1999.9.3) |
露草
| 買い物途中の空き地に、露草が咲いていた。 早速摘んで帰り、空き瓶に挿してテーブルに置いた。祖母や母がしていたこと と同じように。こういうことは、体のどこかにインプットされ、繰り返されるのだろう。 露草は、名前の如く、茎の先からこぼれ落ちる露のような花。小さいけれど、 目を引く鮮やかなブルーの花だ。 この草は茎を地面に横ばいに伸ばし、盛んに枝分かれして、節から根を出す。 摘んだ花は、あっけなくしおれるが、繁殖力は案外強い。 露草の色はこんなにも美しく、昆虫たちの眼を引きそうだが、受粉を昆虫に頼 らない。開花と同時におしべを曲げながら伸ばして行く。そして自分で自分の めしべに受粉してしまうのだ。なんとも自活した花だ。進化の過程で、よっぽど 昆虫の飛来を待ちくたびれたのだろうか。 藍染め以前の古い昔、青に染める方法として、この露草が使われていた。 露草を臼でついて汁を出し、染色に使うのだ。今も尚、この花の汁は、色が 消えやすいことを利用して、友禅の下描きに使われているそう。 子どもの頃、この露草で色水を作ったり、絵を描いて遊んだ記憶がある。 今の子ども達は、そんな遊びはしないのだろうか。 (1999.7.27) |
テントウムシ

| 毎年5月頃になると、我が家のベランダガーデンにアブラムシが大発生する。 例年であると、薬や洗剤液をまいて退治するのだが、今年はとても面白いことを した。 テントウムシ。テントウムシの幼虫を放したのだ。 コトの発端は、虫好きの息子がテントウムシの幼虫を持って帰宅したことに 始まる。ビニール袋に大事に入った幼虫の数、おおよそ 50〜60匹。まさに 恐るべし、子どもの虫熱中振り。虫かごやえさに困り果て、アブラムシのいる ベランダで飼おうということになった。 ベランダに放して3日目。なんと早、ウチのベランダからアブラムシが見事に いなくなった。おびただしいほど(!)いたのに。 テントウムシは、1mm強ほどの黄色の卵を茎や葉の裏に 30〜40個産み付ける。 3〜4日後、毛むくじゃらの幼虫が誕生する。小さなモンスターの風貌だ。その後 幼虫は、3度皮ぬぎを繰り返し、やがてさなぎになる。 その間2週間、テントウの幼虫はアブラムシを食べまくる。するどい顎で、アブラ ムシに食いつき、体の中身を吸い取る。多い時は1日に70匹も食べてしまうほど のすごい勢いだ。 さなぎになってから5日め、パカッとさなぎの背中が割れて、羽化が始まる。 羽化したての成虫の色はとてもとてもきれいなつやつやの黄色だ。やがて本来 の水玉文様が徐々に現れ、2時間も経つと体も成虫と同じ色と模様に変わる。 これは何度見ても、本当に感動もの! 成虫になっても、やはり食糧とするのはアブラムシ。1匹のナナホシテントウの 成虫が、1日に399匹のアブラムシを食べたという記録があるそう。 「生きた農薬」だ。 私自身も虫好きだったが、更に虫好きの息子とこのような体験ができることに 感謝する。 (1999.5.25) |
アジサイ

| アジサイは日本・アジア原産の花。諸外国にとってアジサイは日本のイメージが 強いようで、サクラやツバキと並んで日本の代表的な花とされている。フランスでは 「日本のバラ」と言われているそう。 学名のHydrangeaとは「水の容器」という意味で、たくさんの水を吸収して蒸発する 性質をあらわしている。水を吸収しても吸収しても、し足りないのだろうか。アジサイは 水揚げが得意でない。切り花にした時は、切り口に深い切り目を十字に入れ、深水に つけてやる。それでも、ふと見ると、うなだれていることがあり、あわてて、切り直しては ざっぷりとまた水につける。 手のかかる花だけれども、みずみずしい花色が好きでたまらない。 このアジサイを始め、バラ・スイトピー・ゼラニウム・ルピナスなど赤・青系の多数の 花はアントシアンという色素を持っている。そして、このアントシアンは酸性度を示す 自然の表示器となる。アジサイの花の色は、アルカリ性の強い土壌に育つと赤になり、 酸性であれば青に、中性であればスミレ色になる。 あなたの横顔越しに シャボン玉がいっせいに 弾けた気がしたのは ああ 紫陽花ですか 昔好きだった歌の詞の一節。 この曲がわかったあなたは、私と同世代です! ああ。 (1999.5.21) |
黒いパンジー

| ここ数年、黒い花が気になって気になっていけない。黒いパンジー、黒いネモフィラ、 黒いチョコレートコスモス・・・・・。黒にもいろいろあるが、どれもきりりとした気品を 感じる。 写真は、「ブラック・プリンス」という名を持つ黒いパンジー。かっこ良く写真を撮ろうと ライトを当てたら、紫が強く出てしまった。が、日の光の中肉眼で見ると、もっと黒ら しい黒い花の色だ。 植物はメラニン色素を持っていないので、まっ黒という色になることはありえないそう。 黒いパンジーも限りなく黒に近い紫ということなのだろう。 1億5000年前の生物の歴史上初期における花は、どの花も緑色をしていた。しかし、 遺伝子の突然変異により、徐々に花の細胞に色素を集めるようになる。その方が、 昆虫を引きつけるに都合が良く、これは言わば種を絶やさず生き延びて行くための 「生存のための色」なのだ。 生存のために色を持ってくれたお陰で、こうして私たちは花を楽しめるわけで、長年の 変遷に感謝するばかりだ。 (1999.5.14) |
菜の花

| ドライブの途中、川岸に菜の花がたくさん自生しているのを見つけた。 それを分けて頂いて活けたのがこれ。 活けたと言っても、鉢に投げ入れた だけ。花止めは、同じ川で拾ってきた石。本来はこんな自然な花の飾り方 が好きだ。 菜の花も店頭で売っているものよりも、茎が頼りないほど細く、花もバラバラ。 でもそこが、とてもしなやかで良い感じがする。 アブラナ、ナタネとも呼ぶ菜の花は、欧州からシベリア原産。英名では、フィ ールドマスタード「Field mustard」。 これから迎える本格的な春。 ナズナ・カラスのエンドウ・ホトケノザ・オオイ ヌノフグリ・・・・と魅力的な雑草たちの季節だ。散歩の途中で、道ばたや 空き地に目が行ってしまう。 (1999.4.6) 鉢はスペインの古いもの。 |
スイートピー

| スイトピーは、春を代表する花。1本あるだけで、部屋が春の甘い香りで 満たされる。 なるほど、名前のスイトピーを直訳すると、スウィートなピーで「匂い豆」。 花の香りの良い豆科植物とい名前がついている。かつて日本では、「ジャ コウエンドウ」「ニオイエンドウ」と呼ばれていたそうだ。 花言葉は「別離」。これは花の姿が蝶が羽根を広げて飛び立とうとしている 様子に似ているから。 小さなコップに1輪、短く切って挿したい。 (1999.3.12) |
パンジー

| パンジーやビオラのあの、微妙な色の美しさに惹かれ、毎年、毎年欠かせ ない。今年もベランダのプランターに、たくさん咲いている。 パンジーはイギリスで野生のスミレの交配から生まれた。形が物思いに ふけて首をかしげる人の顔に似ているので、フランス語の「パンセ(思考)」と いう言葉が名になった。 パンジーには残念ながら、匂いがない。もしもあったら、どのような匂い なのだろう。春を思わせるような爽やかな香りだろうか。 こんなドイツの言い伝えがある。 昔三色菫には匂いがあり、人々はその匂いをたよりに、この花を求め、野山 を探し回った。ところが、自分のせいでほかの草花が踏み荒されるのを悲しく 思った三色菫は、神様にお願いした。 「どうぞ、私から匂いを消してください。そうすれば、人間達は私を探しに 来なくなるでしょう。」と。 それからだ。三色菫に匂いがなくなったのは。 ベランダのビオラをジノリのデミタスカップに挿した。花たち、優雅な貴婦人 みたいだ。 (1999.3.12) |
チューリップ

| 最近のチューリップは、本当に様々な種類・形がある。 パーロット咲きという、オウムの羽根のようなもの。ユリ咲きという、ユリの 花ように先のとがったもの。バラのような八重咲きのもの。花びらの縁が 細かく波打つフリンジのもの。枝分かれして、1本にたくさんの花をつけた もの・・・・。 少し前のチューリップのイメージとは全く異なり、妖艶なものさへある。 チューリップはトルコ原産のユリ科の花。 チューリップとはトルコ語の「ターバン」のことで、確かに、ターバンの形に 似ている。 しかし、元々トルコでは、チューリップは 「ラレーラ」と呼ばれてた。ところが、 ひょんなことから、間違った名がヨーロ ッパに伝わり、それがそのまま世界 に広まってしまったとう。 でも、「チューリップ」という名はとても良い響きで、花のイメージにピッタリだ。 その後、東インド会社で潤うオランダで、チューリップは大人気。宝石並みの 法外な高値で取引され、盗難騒ぎまで起きる。この時代は歴史上でも「チュ ーリップ狂時代」と呼ばれてる。 春になると、チューリップを求める。 部屋にあると、春の訪れの喜びを謳歌してくれるような気がするから。 (1999.3.12) |
レモン

| 近所の方に、ご実家で栽培されたレモンをたくさんいただいた。つやつやの きれいなレモン。 レモン・洋梨・オレンジ・パッションフルーツなどを器に盛り、少しの花や葉を 添えてやると、とてもすてきなオブジェになる。 試験管に挿したアイビーをレモンと一緒に盛り鉢に入れた。 少しの緑が加わると、グッと空気感が変わって来る。 ところで、レモンといえば「サンキスト」。これって英語で書くと、「Sunkissed」。 つまり「太陽がキスをした」ってこと。この「サンキスト」という言葉は、もともと 1970年にカリフォルニア州の果物業者取引所が中心になって作ったオレンジ 類の標語だそう。 いかにも太陽の光をいっぱいに浴びた感じのする、すごいコピーだ。 (1999.3.12) |