【旧車を美しく蘇らせるレストレーション】
メーター
ライダーが常に目にするメーターなどの計器類は常に厳しい気候に
さらされて痛んでいる場合が多い。普段見慣れている使い込まれたメーターの
リフレッシュを岡山県のクラフトビーで行ってもらった。
Text/Masao Takeda 武田正樹 Photo/Ken Tsurumi 鶴見 健
常に自然の天候にさらされているパーツの一つにメーターがある。
特に太陽光の下にさらされている時間が長かったものは、あっけないほどに経年劣化のためメーターのボックスはおろか、メーターパネル板の色や針の色、トリップメーターの文字板でさえも変色してしまっている。
外装やエンジンがいくらきれいになったとしても、ライダーが常に目にするメーターがくたびれていてはちょっと残念だ。
ここではフルレストアとして美しく蘇らせるために、文字盤も含めてきれいにしてみたい。
そこで岡山県にあるクラフト・ビーにH2のメーターを持ち込んで、レストア作業をしていただくこととなった。
このクラフトビーでは、転倒などで壊れてしまったメーターや素人目には修得不能と思われるほどひどい破損状態のメーターまで、新品同様にレストアしてくれるのだ。
また又文字盤については、メーカー純正同様にするのはもちろん、他にカラーの配色や字体の変更、旧車の300km/h
メーターなど自分だけのオリジナル文字盤を製作することも可能だ。
このレストア作業をレポートする。

1 今回レストアしたメーターはH2用のタコメーター
とスピードメーターの2種だ。特にスピードメーター
は逆輸入車のマイル表示をKm/h表示に変更する。
2 外装を外されたメーターは、まずフタの少し下部外
周にテープを貼り付ける。これはリングを外す時に
メータ本体にキズがつかないようにするためだ。
3 張り付けたテープの上からマイナスドライバーを使
ってメーター上部のリングを少しずつ開いていく。こ
の時にリングを広げ過ぎないのがポイントとなる。
4 慎重にゆっくり丁寧にリングを広げていけば、この
通りきれいに外れる。このリングは再利用するので、
その後の取り扱いも慎重にしよう。
5 リングからゴムパッキンを、スクレパーを使用し
てゆkっくり剥がす。ゴムを外したリングを元のような
形に整形していく。この時内側に広げ過ぎないように。 
6 次ににメーターの裏部をバラしていく。オフセットギ
アを外す際に、中に入っているベアリングを落とさな
いように注意しながら作業しよう。
7 スピードメーターだけだが、バラすとこれだけの部
品点数がある。再使用する部品は特に無くさないよう
にバットなどに入れて作業しよう。
8 メーターの円筒型の筒の油汚れやサビをとるために、
洗浄液の中にしばらくドブ漬けとしておく。これでも
とれない汚れは後ほどサンドブラストを掛ける。
9 いよいよ文字盤をバラす。まず、メーターの針を外
すのだが、こらは焼き入れしてあり硬度が高いために
真っ直ぐに抜かないと折れる可能性があるので注意。
10メーターの針を抜けば裏についている文字盤が外れ
る。文字盤も外してみると、経年変化で変色しているこ
とがよくわかる。いつも見ているとわからないものだ。
11 今回は逆輸入車のためにマイル表示となっているメ
ーターをKm/h表示にするために、マイル表示のメータ
ー盤を剥離剤に漬け込み剥離する。
12 メーター盤を剥離している間にメーター内部をバラ
して異常や故障がないか点検する。細かい部品の集ま
りなので、ゆっくり丁寧に行ナオう。あせりは禁物だ。
13 メーター内部をバラした部品は一つのバットに集め
紛失しないようにする。今回のこのH2のメーター内
部の部品はほとんどが再使用できる部品だった。
14 メーター内部のバラされた部品は旧いグリス分など
を洗い流すために、シンナーで洗浄を行う。全部品
を筆やハケなどで洗浄する。
15 文字盤のシャフトの曲がりを発見したが、その都度
細かく修正していけば問題ない。特に今まで使用して
いたメーターであれば、大きな異常は無いだろう。
16 メーターの針を動かす部分には必要以上にメーター
針は振れないようにするダンパーオイルが挿入されて
いる。飛散して減ったダンパーオイルを補充する。
17 このダンパーオイルには種類がたくさんあり、クラ
フトビーでは機種によって使い分けるという。シビア
な特性を要求されるオイルだ。
18 メーター本体とケーブルを繋いでいるケーブルギア
部にもグリスアップを行う。あまり多めにつけずに
適量のグリスアップをしよう。
19 メーターケーブル部に入るベアリングのサビを落と
してグリスアップを行う。本当に小さな部品なので
無くさないように注意が必要だ。
20 数字が並んでいる円形の文字をシリコンオフなどの
脱脂剤で洗浄する。この付着したオイル分はさきほど
のダンパーオイルが飛散しているものだ。
21 シリコンオフで洗浄し白い部分の文字(数字)が
薄くなったため同じ字体のステーッカーを上に貼り付
ける。この字体はメーカーにより異なる。
22 さきほど剥離剤の中にいれておいたメーターパネル
を取り出し手で剥離する。取り切れないものは水洗い
をする。その後よく脱脂すること。
23 メーターパネルについていた文字盤とシリコンを全
て洗い流して無地になった文字盤。この文字盤にはキ
ズや損傷が無くて良好な状態のためこのまま再使用する。
24 文字シートは透過照明用で光が通るタイプだ。これ
に糊を吹きつけて文字盤に張り付ける。ランプやトリッ
プ・オドメーターの位置がずれないように注意しよう。
25 文字シートを張り付ける時はガラステーブルの上で
下から光を当てて行うとやりやすいだろう。位置が
決まったら表面をヘラでならして密着させる3。
26 密着させたあとは、文字盤のオドメータやランプ
の穴部をカッターで切り抜く。このシートは薄いシー
トなのでR部にもきれいに密着させることができる。
27 上で切り抜いた内側の金属部につた有り黒の塗料を
タッチアップする。そして、全体を艶消しでスプレー
して密着度をアップさせ、剥がれにくいようにする。、
28 タコメーター内のインジケーターランプはメーター
パネルと同じシートで透明なものを使用する。これはボ
ンボのように裏にはみ出ることがなくきれいに納まる。

29  このH2は逆輸入のために、スピードメーターがマイル表示とまっている。今回このレストアを機にKm/h表示に
修正することにした。手前がその時に使用する歯車だ。
30 右のギアーを組み込まれた文字部。白地の文字は、貼り直されたステッカーによってきれいに再生されている。
輝きは新品以上のものがあるだろう。  
31 栗本氏自作のスピードメータテスターにより、マ
イル表示からKm/h表示に変更されたメーターの誤差
を計り、細かく修正していく作業が続く。
32 経年劣化で変色していたメーターの針の色も再生す
る。細かい筆でオレンジ色をタッチアップしていく。こ
の針は焼き入りの硬い針なので取り扱いに注意しよう。
33 ドブ着けにしていたメーターのアウター部は、サビ
が発生していたために、サンドブラストを当ててサビ
の除去をした。脱脂も十分に行った。
34 きれいに再生された部品をバラしたのと逆に組み
立てが行われていく。組み込む時には部品の変形や異
常がないかを確認しながら行うことも重要だ。
35 最初に外したメーターリングを再度整形し、バフ掛
けを行ない新品同様の輝きを持たせる。このリングは
常に目に触れるものなので特に注意して整形しよう。
36 メーターリングの取り付け。本体に被せてからプラ
イヤーのような特殊工具で均等にカシメていく。1箇
所に力を入れるとシワになってしまうので注意。
37 最後にクラフトビーで製作されたフチゴムを取付け
て完成。新品以上にきれいな仕上がりとなった。価格
は基本料金2万5000円で今回のようにKm/h表示に
変更するとプラス2万5000円となる。
38 今回ご協力いただいたクラフトビーの栗本氏。車種
を問わず潰れたメーターでも可能な限り直してくれる。
メーターのプロ。どんな事でも相談してみよう。問合わ
せは電話か、crftbee@mx31.tiki.ne.jpまで
Restoring classic motorcycles
十年以上もノーメンテ状態のメーターが
新品以上の輝きを放つメーターに!