「団塊の世代」(12)
NHK特集「日本の、これから」

 2月10日(土)19:30から3時間半の時間を割いてNHKで「団塊の世代」についての特集があった。タイトルは「団塊・大量退職」。多くの方が見ていると思うので、感想のみを書きます。
ストレスを感じる「進め方」
団塊の世代の一部(プレ団塊の世代)として番組を見ましたが、進め方(@かAか?との問いでわざと議論を呼び出している傾向)にストレスを感じ半分も見ませんでした。「団塊の世代」の今後を考える…なら、静かに当事者の「どうしたい」、周囲の「どうして欲しい」を真面目に意見交換する場にしてほしかった。
民放ばやりのバライティー「激論バトル」的な構成が居心地を悪くしました。
どの世代も「功罪」はあるのが当たり前、しかも個々まちまちで「塊」としてどうこう議論する事に無理があるようです。「団塊の世代」は政治家も経営者も出ていない…?放っといて!世代のせいでなく、人が良いから人を押しのける図々しさが無いだけ。
スタジオで不毛の議論に時間を割くより、現実の「団塊の世代」の生き様やこれからのプラン等、ヒントになるような実例を沢山紹介して欲しかった。実例紹介も「そば打ち」や「ハーレー」やヒントにならない現実離れしたものでした。
これからの10年・黄金時代
一つは「団塊の世代」の言葉の生みの親、堺屋太一さんの「これからの10年の黄金時代」をしっかりと説明の上、それに沿って議論をスタートして欲しかった。そうすればもっと方向の定まったましな議論になったのでは?
堺屋氏の論は「好きな仕事をして安いコストで社会に貢献すれば、日本はもっと繁栄する。」という事の様ですが、ここらをもっと掘り下げて話し合って欲しかった。例えば、「好きな仕事」が現実的にどうなのか?「団塊の世代」は「好き」で再雇用に応じているのか?仕事一途にやってきて、もう好きな事をして余生を暮らしたい…が本音でも、それが許されない…が現実なのでは?そんな本音を聞きたかったし、ではどうするか?に繋げて欲しかった。
その辺りは、堺屋氏の認識も不十分なのではないか。団塊の世代も半分は裕福で、半分はそうでないかも…と言うが、自分で言うのもおかしいけれど「大卒・一部上場企業・管理職」と言う経歴で自分の現実、周囲の現実を見て、定年後「悠々自適」は極々少ないように思える。それは「年金制度」、「健康保険制度」の変革期のしわ寄せがこの世代が当っているからです。
雇用延長・田舎暮らし
仕方ないから、70まで働かなくては…が現実です。そうでなければ、
60才以降趣味や旅行、ボランティアに、好きなだけ時間を使いたい。それが本音です。
何も若者の就業の邪魔をすべきで無いし、残れば「老害」でしかない人もいるのも現実。技術や、技能を伝承したければボランティアでやればいいし、(伝承してこなかった責任)若者も来ない労働不足の企業は雇用方法を考えれば良い事。
会社の命令一つで転勤を繰り返してきた者にとって、地方へ、故郷へ、住みたい処に住んで…そんな事勝手でしょ!地方が活性化しようと、しまいと…。(それが可能ならば…)

これっきりでなく、NHKに限らず「団塊の世代」を地道に取材し、様々な生き方のヒントを提供していただきたい。以前「サンディープロジェクト」でも取り上げられたが、代議士や、タレント、作家等、大部分の「団塊の世代・勤労者・サラリーマン」の現実から遠い所で議論されたのでは、「ビートルズ・全共闘・若い頃は良かった…」の思い出話でしかなかった。 

団塊の世代よ!主張の多い世代だが、もっともっと主張しよう。

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