バキュームフォーム



バキュームフォームといえば、
バルサ材の原型を使って、
中空のバキュームフォームパーツを作れるが、
パーツのエッジがゆるくモールドもダルいから必要ないと思われるかもしれません。
しかし、
バキュームフォームパーツの外側を使う普通の使用法ではなく、
内側を使うバキュームフォームの反転使用、
簡単に言うと、バキュームフォームパーツを埋め込んで使えば、
シャープな凹モールドが簡単にできます。

足の裏のバーニア用のくぼみはバキュームフォームパーツを埋め込んでいます。
もしも、バキュームフォームパーツを使用せず、
デザインナイフなどで同じ様に掘り込もうとするなら、
かなりの技術と時間が必要となりやってられません。



これは反転使用ではなく、普通に使用した例です。
塩ビ板を使い透明なキャノピーを作っています。




自作のバキュームフォーマー




バキュームフォーマーの作り方
 5ミリの合板を20センチと15センチの大きさに切り、
それに合わせて30ミリ×15ミリの角材で枠組みを作り、
枠組みの一部に掃除機のスキマノズル用の切り込みを入れます。
板、枠、ノズルを釘で固定して、
空気が漏れないように木工用ボンドで隙間を埋めます。
弁当箱状態になった上側にアルミパンチ板を釘で固定し、
端にスキマ用スポンジテープを貼って完成です。

 材料費2千円くらいで作れます。
今なら100円ショップにもいろいろな素材がそろっているので、
もっと安くできると思います。

 このバキュームフォーマーを作った時点では、
これで普通のバキュームフォームパーツを作るつもりだったので、
大きさはかなり大きめになっています。
 完成したバキュームフォーマーですが、
開口部分が17センチと12センチもあって、
反転使用には大きすぎてプラ板がもったいないので、
プラ板でフタを作り、開口部分を6センチと12センチにしています。
 掃除機用ノズル部分のアップ。
 L字型の木材で作ったプラ板固定用の木枠。
L字型金具でガッチリ固定し、
持ちやすいように取っ手が付けてあります。
 小型の電気コンロ。
当然ですが火傷と火事に注意。
これでプラ板を熱します。
火を使うコンロは危険なので不可。
バキュームフォームの手順
 パテなどで作ったパーツを置く。
 プラ板固定用の枠。
 プラ板をクリップで固定。
厚さは0.5ミリプラ板をよく使います。
プラ板を熱する度合いはたれてくる寸前ですが、
今でも必ず何回か失敗してしまいます。
 掃除機でブシューッと吸い込む。
 できあがり。
 上の写真の物を埋め込むとこんな感じに。
バキュームフォームパーツを埋め込む方法
 これにバキュームフォームパーツで凹モールドを入れます。
 ポリパテで作ったパーツをバキュームフォームし、
余分なプラ板を切り取っておきます。
 埋め込まれるパーツと埋め込むパーツ双方に、
目安となる線を引きます。
 慎重にゆっくりとすり合わせながら穴を開けます。
 いろんな角度から見て目安の線にズレがなければ、
スキマに低粘度タイプの瞬間接着剤を流し込み、
そのまま接着剤が固まるまで待ちます。

 接着剤が固まったら、
埋め込んだバキュームフォームパーツからポリパテのパーツを抜き取り、
1mm弱だけ残してプラ板をデザインナイフで切り取ります。
 残ったプラ板を小ヤスリで慎重に削り落とし、
耐水ペーパーで仕上げます。
その際、銅粉をこすりつけてから削ると本体部分の削りすぎを防げます。
 完成。
バキュームフォームパーツの埋め込み例
 これはあるロボットのスネパーツですが、
ヒザの四角いくぼみと、
ヒザ関節部分にバキュームフォームパーツを埋め込んでいます。
 この装甲パーツも、
穴の部分にバキュームフォームパーツを使っています。

戻る