スイッチト・オン・バッハ
J.S.バッハ(1685-1750)

ワルター・カーロス
(モーグ・シンセサイザー)
1968年頃録音 SOCN-14004 CBS-SONY

バッハの音楽は、色んなジャンルの音楽家にとても愛されているらしい。
作曲家自身の指定した楽器に飽きたらず、オーケストラに編曲されたり、ジャズメンによって編曲されたり、このレコードのように電子楽器によって演奏されたりしている。

「スイッチト・オン・バッハ」は、モーグ・シンセサイザーと呼ばれる初期のシンセサイザーによって演奏されたもので、アメリカを始め全世界で大ヒットを記録した。その影響は他にも及び、日本の冨田勲のシンセサイザーシリーズはよく知られる所である。

当時のシンセサイザーはジャケット写真でご覧になれるように、かなり大きなものである。現在の技術をすれば、この程度のものならワンチップに収まってしまう。実際今聴いてみると決して豊かな音とは言えない。3000円程度のパソコンの音源カードの方がよほどいい音がするくらいだ。

それでも今聴いても結構面白いのは、バッハの音楽が骨格のしっかりしていて、どんな楽器で演奏されようともバッハの音楽足り得ているからであろう。ヴィバルディの協奏曲を編曲して遊んでたりしていたバッハだから、この演奏を耳にしたなら、結構喜んだのではないかと思ってみたりもする。

March 2001

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